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1 Journal of Japanese Culture 第 55 輯 韓 國 日 本 文 化 學 會

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3 Journal of Japanese Culture 目 次 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 5 止攝 之韻의 중고음에 대하여 김 대 성 23 韓国語のカタカナ表記について 小川明美 45 - 聞き取り調査による語中子音の傾向分析 日韓同形異義漢語の意味の問題 尹 錫 南 63 - 韓国近代資料を中心に 視聴覚日本語 におけるシャドーイング法の実践研究 崔 真 姫 81 - 初級レベルの学習者を対象に 刊本類 交隣須知 에 의한 韓日近代語의 通時的研究 片 茂 鎭 95 - 日本語의 文末表現을 중심으로 단절된 일본문학연구의 계보 박 상 현 만엽집(万葉集) 을 중심으로 更級日記 の物詣で 鄭 順 粉 挫折した 女の夢 나쓰메 소세키(夏目漱石)와 李御寧이 추구한 패러독스의 세계 姜 賢 模 나는 고양이로소이다 풀베개 가위바위보 문명론 을 중심으로 谷崎潤一郎의 少年 論 김 상 원 人稱과 스쿠비즘을 중심으로 미야모토 유리코의 한 송이 꽃(一本の花) 론 朴 裕 美 189 今村昌平의 人間蒸發 柳 在 淵 27 현대 일본국 헌법 논의 구조 강 경 자 군사적 국제공헌론과 인권 담론의 대항 구조를 중심으로 독도문제의 발생시점 위치 크기 속도 의 편견에 관한 연구 최 장 근 245 彙報 263 韓國日本文化學會 任員名簿 275 韓國日本文化學會 會則 277

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5 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の 発音指導 姜 蓮 華* ( 目 次 はじめに 先行研究 実験 実験結果 考察 結論 今後の課題 １ はじめに 韓国人日本語学習者 non-native speaker 以下NNS が 日本語の特殊拍1) の知覚と生成に困難を感じることはよく知られている しかし 韓国における日本語教育の現 状を調査して何より驚かされたことは 学習者の殆どが体系的な音声教育を経験していない ことである また このような背景から発音教育に対するニーズは高まっており 中でも特殊 拍の 促音 の知覚と生成に現れる問題点と誤用の傾向に関する研究が数多く 福居 1978 戸田 閔 b 2ｄ 2 7 らによって指摘されてきた しかし 実際に現場で活用できる音声指導法に関する研究 となると数少ない 本研究は この問題状況を基点としてNNSが日本語を生成する際に誤用が多く見られ * 大田大学校 時間講師 言語教育学 1) 促音 長音 撥音

6 6 日本文化學報 第 55輯 る特殊音素の促音に対して考察し 実際の日本語教育現場への応用を模索するものであ る まず 促音の生成における学習者の誤用の傾向と特徴を調べる 次に 音声指導法に 注目し 考察を行う その一つの段階として 金 尾崎 1999 韓国人のための発音 クリニック では韓国人日本語学習者が困難とする発音を項目別に分けて指導法を提示し ているが 促音の指導法を用いて指導と練習を行い 効果を明らかにする 最終的に 姜 211 で行ったヴェルボトナル法 Verbo-Tonal Method 2)による 指導と効果を比較検証することにより 日本語教育現場で活用できる より効果的な指導 法を探り出すことを目的とする 2 先行研究 日本語の促音に関して鹿島 22 は 促音は後続子音によって五つの異なった音価 [p, t, k, s, ]として実現されるが 音声的には子音の後続部に相当するものであると述べ ている 促音の鍵となる持続時間を先行母音と後続子音環境によって分析した研究の中で 李 1996 は 初級の韓国人日本語学習者を対象にした調査の結果 促音語に誤りが多 く その理由は促音の一拍分の長さを持続しないからであると報告している 閔 2b では 韓国人学習者の促音挿入の誤りは 先行母音が狭母音の場 合 語中の無声破裂音に頻繁に起こり 韓国人学習者は 日本語の語中無声破裂音 の有声化を避けるため 語中の無声破裂を強く発音することに原因があると指摘している また 閔 2d では 朗読資料を用いて実験を行った結果 先行母音が前舌狭 母音の場合 全体の72%を示し 先行子音が[ ] 後続子音が無声歯茎破裂音/t/であ る場合に促音の挿入が多いと報告している 酒井 26 は 上級の韓国人日本語学習者15名を対象に調査を行った結果 促 音の脱落の誤りが9 で 促音挿入の誤りが38 であり 後続子音が[p][t][k]の場合 多く見られたと報告している 促音の知覚 生成と母語の影響に関して 戸田 21 は NNSが母語干渉による 有声音化現象を避けるために 有声音化しない激音や濃音で語中無声破裂音を代用す るが 日本人の聴覚印象では 呼気が強いと厳しい口調に聞こえたり 喉頭緊張を伴うと 2) ヴェルボトナル法 Verbo Tonal Method は 言調聴覚論の応用分野で VT法 ヴェルボ トナルメソッドとも呼ばれる クロアチアのペタル グベリナによって研究開発された聴覚 言語障害者 及び外国語学習者の発音指導 矯正 そして補聴器のフィッティングなどに応用される 小圷博子外 (22) VTS入門 p17.

7 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 7 促音が挿入されたように知覚されたりして 誤解を招く恐れがあると報告している また 戸 田 23 では 日本語学習者が特殊拍を習得するときに困難を感じる理由の一つとし て 母語と日本語の音韻構造の相違を指摘している 姜 24 は 韓国人日本語学習者初級と中級各15名を対象に聴覚実験を行い 日本語の促音を学習者が母語のどの音で代用しているかを調査した結果 後続子音 三 音節語の第二音節の子音は韓国語の濃音で聞き取る場合が顕著に多いと報告している 次 発音指導法を用いて指導を行い 指導法の効果を検証した研究は数すくないが 大 田 23 は 中国人学習者にVT法を用いて促音を指導した結果 従来の指導法より 持続時間の割合が大きくなった被験者数の結果から従来の指導法と比べ VT法による指 導法がより効果的であることを明らかにした 姜 211 は 韓国人日本語学習者初級と中級各1人を対象に振動器3)と身体リズ ム運動4)を用いて指導と練習を行い 指導後の持続時間の長さが日本語母語話者に近 接していると述べている 以上のように 先行母音と後続子音 特に持続時間の長さが促音の知覚と生成に大き な影響を与えることが分かる しかし 従来の研究は後続子音が破裂音の[p][t][k]に限っ て調査が行われ 後続子音が破擦音と摩擦音の場合は言及していない また 発音指導のための音声教材が数多く出版されているにも関わらず 実践指導による 効果を検証した研究は少ない それゆえ 本研究はNNSにおける発音指導前後の後続子音環境全てにおける持続時 間の変化と指導の効果に重点をおいて考察を行う 指導法としては 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック 5)が提示してい る促音指導を用いることにした 3 実験 3) 音声は振動としても知覚されるという考え方に基づいて 音声を機械的な振動に変換し 聴取 生成 できるように考案されたものが振動器 オシレータ 及び振動器である 小圷博子外 22 VTS入門 pp ) 身体リズム運動 Body Movement は 言語の生理的発生に基づいて組織されたものである 音 声言語を正しく聴き取り 構音できるように 音声的特徴と身体の動きの要素を関連づけて作り出され た運動 VTS入門 p67 5) 音声教材としては 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック 戸田 24 コミュ ニケーションのための日本語発音レッスン 柳京子 25 韓国人のための発音練習 など 数多く出版されているが 母語の音韻体系を応用した発音指導の効果を検証するため この教材を 採択した

8 8 日本文化學報 第 55輯 3.1 実験の概要 実験は 東京在住のNNS2人を調査協力者 6)として2種類 発音1 2 のテストを 行った まず 促音を含む 含まないで共に有意味語 または無意味語となる日本語の単語3 対 6単語 を選び 表１の順で 発音テスト の原稿を作成する さらに発音テスト１ と発音テスト2の順で 韓国人初級学習者 Korean-Low Level Learner 以下KLL と略記 1 人 韓国人中級学習者 Korean-Middle Level Learner 以下 KMLと略記 1人に2つの実験を行った また NNSとの比較のために東京出身の日本 語母語話者 native speaker 以下 NSと略記 1人に同じ原稿を読んでもらい録音し た 3.2 調査内容 同じくNNSと言っても初級者と上級者とでは外国語である日本語--ここでは促音--に関 して その生成に際して誤用の傾向は異なるし 音声指導による効果も相違すると推測され る そこでNNSとNSの促音の生成における 持続時間の相違点と 学習暦による傾向を 調べる また 韓国語の音韻体系を応用した指導と練習を行い 指導前後の促音の持続 時間をNSの持続時間と比較することで指導法の効果を明らかにする 3.3 調査協力者 日本在住の韓国人NNS 初級 KLL 1人 中級 KML 1人 初級は全員 日本語学校生で 日本語学習歴2 1ヵ月 平均6ヶ月 中級は1年3か月 2年6ヶ 月 平均1年8ヶ月 日本語母語話者 NS 1人 東京出身 に協力してもらっ た 3.4 方法 音声資料 テスト材料 の作成 アクセント型が 平板型 頭高型で後続子音が破裂音の[ｐ][ｔ][ｋ] 破擦音の [ ][ ] 摩擦音[s]となる促音語と非促音語 意味語と無意味語 のミニマル ペア3対 を選び 6単語をランダムに並べて発音テストの原稿を作成した 6) レベル分けは日本語能力試験認定基準により 初級 日本語能力試験4級 日本語を15時間程 度学習 日本語能力試験3級 日本語を3時間程度学習 と中級 日本語能力試験2級 日 本語を6時間程度学習 にした

9 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 9 表1 促音の生成を調べるテストの使用単語 かって りか さっち いつう てぴ かっこ せっつく ぶし かっぽ りち さっし いぴ せっと こつ いっそ せき こっち むつり こっし いけん しっち そぽ しっと いそ かぽ こち さっつ ひし せと こっき せち すっぱい かて しち いっつう しと いっけん さち こっつ さし そっぽ りっか むっつり さつ てっぴ いて ひっし かこ てっぴ せっき おと りっち せつく すぱい こき せっち ぶっし おっと こし いって 3.4.2テストの実験方法 発音テスト１は 韓国人日本語学習者KLL1人とKML1人に何の情報も与えず 音 声資料を配布して一回ずつ読んでもらい 録音した 発音テスト2は 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック の韓国語の音 韻体系を応用した指導法7) 2分 を用いた指導と練習の後 発音テスト1と同じく 音声 資料を配布して一回ずつ読んでもらい 録音した 最後に Native Speaker NSとNon Native Speaker NNSにおける促音の持続 時間の相違を比較するために東京出身のNS1人に同じ発音テストの原稿を配布して録音 してもらった 録音は SONY-TCM テープレコーダ-と単一方向性マイク SONY ECM-MS97 を使用した 指導内容 発音テスト2 8)は 韓国語の音韻体系を応用した指導法による指導と練習を行った場 7) 金 尾崎 1999 の説明によると 롯데 という会社の名前は ロッテ だが この ロッテ とい う日本語の発音を真似するためには韓国語の表記としては非用であるが 롰데 のように表記する のが日本語に近い発音をするのに役に立つ 従って[って ㅆ데] [った ㅆ다]のようにして て た は激音で認識すると両方の発音の差が明確に区別できる 言い換えれば 対照練習 の きっています の きって は 깄데 で きています の きて は 기테 のように認識して おいた方がいいであろう ただし きって は3拍 きて は2拍であることを忘れてはいけない て た は激音で発音するが 柔らかく発音するように注意しなければいけないと促音を発音す る要領を提示している 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック p32. 筆者訳

10 1 日本文化學報 第 55輯 合 どのような効果がみられるかを明らかにするために行った 指導と練習は 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック に従い 促音の 指導法を用いて行った まず 日本語の促音と非促音の特徴と 日本語の清音は韓国語 の激音あるいは濃音ではないことに関して説明した 9)次に 韓国語のハングル表記つきの シートを見せて説明し 指導と練習を各1分行った後 発音テスト2を 発音テスト１と同じ 内容で順番が異なる を初級と中級各1人に配布して１回ずつ発音してもらい 録音し た 指導内容の詳細は次の通りである 母語を応用した練習の説明と内容 これは 金照雄 尾崎達治 1999 韓国人のための発音クリニック から引用した 練習法です この本には韓国人学習者が間違いやすい発音を項目別に分類して 効果的な練習法 を提案しています その中で促音を練習します 資料①をよく見てください 表記としては正しくないですが この通りに練習しましょう 促音の場合 第一音節末のパッチムをはっきり発音してください また 第二音節は濃音 激音ではなく 平音で発音してください 非促音語の場合 第二音節を濃音ではなく 激音で発音してください 私が読んでみますので よく聞いてください 筆者が読みながら指導する 1分 まず 資料①の単語を筆者が2回読んで学習者に聞かせる 次に 資料①の単語を筆者が一個ずつ読んで 学習者にリピートさせる 繰り返して指導する 学習者に練習させる 1分 学習者が自分で資料①の単語を練習する 筆者は一人ずつ回って矯正 8) 9) 指導する 指導法の効果を検証するには指導前後に一定期間をおいて実施した方がより信憑性の高い結果が得 られると思われるが 協力者の様々な状況などを考慮してテスト1の1時間後にテスト2を行った 1時間 は 学校の生活とアルバイトなど 留学生活に関する話をすることで指導と練習のことを学習者の記憶 から排除した 韓国語の子音は 平音 激音 濃音の三つの対立をなしており 平音は少々の息を 激音は多量 の息を伴う 濃音は息を伴わない音で喉頭の緊張を伴う 例えば お月様 달[tal] 仮面 탈 [thal] 娘 딸[t al]のように意味も変わる

11 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 11 母語を応用した発音練習の資料 資料 지칸 짔간 고키 곴기 １ じかん じっかん ２ こき こっき 가코 갔고 리카 맀가 ３ かこ かっこ ４ りか りっか 스파이 슸바이 가테 갔데 ５ スパイ すっぱい ６ かて かって 오토 옸도 이치 있지 ７ おと おっと ８ いち いっち 이테 있데 기테 깄데 ９ いて いって 1 きて きって 分析方法 発音テストデータの分析は NSとNNSの発音を録音した音声資料を音声ソフトSUGI Speech Analyzerにかけ 持続時間を測った 1) 持続時間は 学習者によって発話の速度が違うため長さの絶対値では比較出来ないの で 単語の全体持続時間における無音区間の持続時間の割合で示した 日本語母語話者 NNS との比較によって指導前後の効果を検証するため 有意性 検定は独立標本ｔ検定を用いた 4 実験結果 4.1 発音テスト1 表2 発話者と後続子音別にみた発音テスト1の持続時間の割合 単位 1) 後続子音 [p] [t] [k] [ ] [ ] [s] [ ] NS 初級 中級 後続子音が摩擦音の場合は発話と同時に摩擦が起こり 無音区間の測定が難しい 摩擦音は音 声波形と広帯域スペクトログラム /s/ではノイズが比較的高い部分に観察される を比較して測定し た

12 12 日本文化學報 第 55輯 表2 は 初級KLLと中級KMLの後続子音環境別における発音テスト1の持続時間の 割合を示したものである NSの後続子音環境別の持続時間の割合は [p]47% [t]46% [ ]46 [k]4 5% [s]45% [ ]41% [ ]39%で 後続子音が破裂音[p]の場合一番長く 破擦音 [ ]の場合が一番短かった 初級は [t]45% [p]41% [k]38% [ ]38% [s]36% [ ]34% [ ]34 で後続 子音が破裂音[t]の場合に一番長く 破擦音[ ]と摩擦音[ ]の場合 短かった 初級の場合 [p][t][k][ ][ ][s][ ]全ての後続子音の割合はNSより短いのが分かる 中級では [p]45% [t]45% [s]43% [k]4% [ ]39% [ ]39 [ ]38%となり 後続子音が破裂音[p][t]の場合に一番長く 破擦音[ ]の場合に一番短かった 中級の場合も 後続子音環境[ ]以外の [p][t][k][ ][s][ ]の持続時間はNSより短いこ とが分かった 以上のように初級 中級共にNSより持続時間が短い傾向が現れた また NSとの持 続時間の差は初級の方が中級より大きいことが分かった NSとの持続時間の差は摩擦音である[ ]の場合に初級12 中級７ で顕著に大きかっ た 4.2 発音テスト2 表3 発話者と後続子音別にみた発音テスト2の持続時間の割合 単位 後続子音 [p] [t] [k] [ ] [ ] [s] [ ] NS 初級 中級 表3 は 初級KLLと中級KMLの後続子音環境別における発音テスト2の持続時間 の割合を示したものである NSの後続子音環境別の持続時間の割合は [p]47% [t]46% [ ]46 [k]4 5% [s]45% [ ]41% [ ]39%で 後続子音が破裂音[p]の場合一番長く 破擦音 [ ]の場合が一番短かった 初級では [t]48% [p]46% [ ]46% [k]42% [ ]4 [s]39% [ ]38%であ り 後続子音が破裂音[t]の場合一番長く 破擦音[ ]の場合 一番短かった 初 級の場 合 後 続 子 音が [ t ] [ ] のと き 持 続 時 間 割 は N S よ り 長 く 後 続 子 音が [p][k][ ][s][ ]のときNSより短いことが分かった 中級では [p]49% [t]48% [k]43% [ ] 4% [s]4% [ ]39% [ ]35 で

13 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 13 あり 後続子音が破裂音[p]の場合一番長く 摩擦音[ ]の場合 一番短かった 中級の場合 後続子音が[ ]のとき持続時間の割合はNSと同じであり 後続子音が[p][t] の場合はNSより長いが 後続子音[k][ ][s][ ]における持続時間割合はNSより短かった 以上のように 指導と練習の後も初級 中級共にNSより持続時間が短い傾向が残り NSとの持続時間の差は初級では 摩擦音である[s][ ]の場合に6 中級では 摩擦 音[ ]の場合に11 で大きかった また 初級では後続子音環境[t][ ] 中級では[p][t] においてNSより持続時間が長くなる特徴が現れた NSとの持続時間の差は発音テスト１と同じく初級の方が中級より大きかった 4.3 指導前後 発音テスト1と2 の比較 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック の韓国語の音韻体系を応用した 指導法による指導と練習を行った初級学習者 KLL と中級学習者 KML の発音テ スト1と発音テスト2を日本語母語話者 NS と比較した結果を以下に述べる 初級学習者 後続子音別持続時間 持 続 時 間 [p] [t] [k] NS 46 [ʦ] [ʨ] テスト１ テスト２ [s] [ɕ] 後続子音 図１ 初級学習者KLLの後続子音別にみた発音テスト1と2の持続時間の割合 図１ に見られるように 初級KLLは後続子音が[p]の場合 NSの平均持続時間 47%に対して発音テスト１の41% 発音テスト2では46%(NSとの差6 1) [t]の場合は NSの46%に対して45% 48%(1 2) 11) [k]の場合はnsの45%に対して38% 42%(7 3) [ ]の場合 NSの41%に対して38% 46%(3 5) [ ]場合はNS39% に対して34% 38%(5 1) [s]の場合はnsの45%に対して36% 39(9 6) [ ]の場合 はNSの46%に対して34% 4%(12 6)であった 初級の場合 指導前は平均持続時間がNSとかなりズレていたが 指導後は後続子音環 境[t][ ] 以外の[p][k][ ][s][ ]において平均持続時間がNSの平均持続時間に近づい たことが認められる また 指導前にNSとの持続時間の差が一番大きかった後続子音[ ] 11) (+)は 日本語母語者の持続時間より長くなったことを意味する

14 14 日本文化學報 第 55輯 の場合 指導後 12 6 に改善されたことが分かった 表4 NSと NNS初級学習者の発音テスト1と2の統計的有意性検定結果 p*<.5 テスト 1 テスト 2 発音 T値 P値 T値 P値 [p] [t] [k] [ ] [ ] [s] [ ] T値 統計量 P値 有意確率 表4 は 初級学習者の指導前後の結果を日本人母語話者 NS と比較した統 計的な有意性の検定結果である 指導前は後続子音環境[k][s][ ]がNSの発音と統計 的に有意差があり(p<.5) [p]はpの値が.5よりは大きいが その差がほとんどなく 有 意差はないと言える 他の子音環境ではNSと有意差はなかった(p>.5) 一方 指導後は全ての子音環境においてNNSと有意差はなく(p>.5) 指導前に有意 差がなかった発音の結果も[ ]以外の子音環境でpの値が大きくなったことから効果を確認する ことができた したがって 初級学習者の場合 指導と練習の効果があったと言えるだろう 中級学習者 後続子音別持続時間 持 続 時 間 [p] [t] [k] [ʦ] 後続子音 NS テスト１ [ʨ] [s] テスト２ [ɕ] 図2 中級学習者KMLの後続子音別にみた発音テスト1と2の持続時間の割合

15 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 15 図2 にみるように 中級では後続子音が[p]の場合 NSの平均持続時間割合47% に対して発音テスト１の45% 発音テスト2では49%(NSとの差2 2) [t]の場合はns の46%に対して45% 48%(1 2) [k]の場合はnsの45%に対して4% 43%(5 2) [ ]の場合はNSの41%に対して38% 4%(3 1) [ ]の場合はNSの39%に対して 39% 39%( ) [s]の場合nsの45%に対して43% 4%(2 5) [ ]の場合NSの 46%に対して39% 35%(7 11)であった 中級では 指導と練習を行った後 後続子音[k][ ]の場合に平均持続時間がNSの平 均持続時間に近づいていることが分かる また 指導前にNSとの持続時間の差が一番大 きかった後続子音環境[ ]の場合 指導後 7 11 により大きくなったことが分かった 表5 NSとNNS中級学習者の発音テスト1と2の統計的有意性検定結果 p*<.5 テスト 1 テスト 2 発音 T値 P値 T値 P値 [p] [t] [k] * [ ] [ ] [s] [ ] * * T値 統計量 P値 有意確率 表5 は 中級学習者の指導前後の結果を日本人母語話者 NS と比較した統 計的な有意性の検定結果である 指導前は後続子音環境[k]と[ ]がNSと統計的に有意 差があり(p<.5) 他の子音環境ではNSとの有意差はなかった(p>.5) 指導後は 子音環境[ ]の場合にNSとの有意差があり(p<.5) 他の子音環境では NSとの有意差はなかった(p>.5) その他 指導前に有意差がなかった子音環境[t]以外 は pの値が大きくなったことからnsの持続時間に近接したことが確認できた したがって 中級学習者の場合も初級学習者と同じく 指導と練習の効果があったと言えるだろう

16 16 日本文化學報 第 55輯 5 考察 5.1 発音テスト１ 発音テスト１は 日本語の音韻体系に対して体系的な学習経験のない学習者が 促音 語と非促音語を生成する際の音声的特徴と誤りの傾向を調べるために行ったものである 後続子音別にみたNSの持続時間の割合は [p]47% [t]46% [ ]46% [k]45% [s]45 [ ]41% [ ]39%であり 後続子音が破裂音[p]の場合は長く 破擦音[ ]の場 合 短かった 初級では後続子音が破裂音[t]のとき45%で長く 破擦音[ ]と[ ]のとき34 で短かっ た 初級の場合 全ての子音環境において持続時間がNSより短いことが分かった ま た NSとの持続時間の差が大きかった子音環境は[ ](12 )であった 中級の場合は 後続子音が[p][t]で45%と長く [ ]のときは38 で短かった 後続子 音[ ]はNSの持続時間と同じく 他の子音環境においてNSより短いことが分かった NSとの持続時間の差が大きかった子音環境は初級と同じく [ ](7 )のときであった このように同じ言語の背景を持っていてもレベルによって生成する方が多少違う 子音環 境別の持続時間の長短 のは学習者が持っている知識 母語干渉 12)中間言語的な 要因が働いているからであろう また 初級 中級共に破裂音[t]で長く 摩擦音[ ]で短い傾向が現れたが 摩擦音 の場合は発話と同時に摩擦がおこり 無音区間が存在しないため 学習者が正しい持続 時間を保つことが困難であると思われる また 音声ソフトによる測定の際にも影響されたと 考えられる 両群共に後続子音環境別の持続時間がNSより短かったが 中級の場合がよりNSの持 続時間に近接していた Major )が発達過程の初級段階では母語の干渉が優勢で 徐々に少なく なっていくと説明しているが これを裏付けるものと考えられる 12) 13) 言語の学習上ある言語が別の言語の学習に与える影響のうち 目標言語において誤用や不適切な 使用につながるような母語の使用を言う 対象分析仮説では 学習者の誤用の原因が全て言語干 渉に基づくものと考えられていたが 誤用分析研究や中間言語研究では負の転移の様々な原因の一 つに過ぎないと主張された 池上麻希子外 1998 日本語教育重要用語1 p3. Major 1987 は 学習者の中間言語発達過程を 母語干渉と発達上のプロセス developme ntal processes からの影響力の変化から説明している このモデルによると習得の初期段階では母 語転移が優勢するが 時間が経つにつれて発達プロセスが優勢になると述べている

17 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 発音テスト2 発音テスト2は 韓国語の音韻体系を応用した指導法を利用した指導と練習 2分 を 行った場合 どのような効果が現れるかを検証するために行ったものである 子音環境別にみたNSの持続時間の割合は [p]47% [t]46% [ ]46% [k]45% [s]45 [ ]41% [ ]39%であり 後続子音が破裂音[p]の場合は長く 破擦音[ ]の場 合 短かった 初級では 後続子音が破裂音[t][ ]のときNSより長く [p][k][ ][s][ ]のとき短かった 子音環境[p][k][ ][s][ ]の場合 NSの持続時間に近づいており 発音テスト１にお いてNSとの持続時間の差が大きかったのは子音環境[ ]は 12 から6 へとNSの持続 時間に近接しているこが分かった しかし 後続子音[t][ ]の場合にNSの持続時間より長 くなる特徴が現れた 中級の場合 [p][t]のときnsより長く [k][ ] [ ][s][ ]のとき短かった 子音環境[k][ ]の場合はNSの持続時間に近づいており テスト１でNSとの持続時間 の差が大きかった子音環境[ ]の場合 7 から11 のようにNSの持続時間との差が大きく なった その他 子音環境[p][t] においてNSの持続時間より長くなる傾向が見られた 以上のように 韓国語の音韻体系を応用した指導と練習後はNNSの持続時間がNSの 持続時間に近づいているが 初級 中級共に後続子音環境によってNSより長くなる特徴 が現れた このような結果は 母語の影響であると思われる 韓国語には パッチム/ㅂ//ㄷ//ㄱ// ㅅ//ㅈ/の後ろに来る子音/ㅂ//ㄷ//ㄱ//ㅅ//ㅈ/は濃音の/ㅃ//ㄸ//ㄲ//ㅆ//ㅉ/に変わる 濃音化の発音規則がある しかし この指導法では濃音で発音するところを平音で置き換 えて発音するように提案していて 学習者が発音する際 正しい持続時間を保つことができ ず 不自然な長さになったものと考えられる このような問題に関しては 先行研究の戸田 21 と姜 24 で指摘している が これを裏付けるものである また レベル別に比較した場合 初級に比べて中級の場合に効果がないことが分かっ た この結果は化石化14)によるものであると思われる 中級の場合 学習者によって指導と矯正の際にも初級より時間がかかり 困難を感じて いることが確認できた 14) Selinkerの中間言語の概念に付随するもの 学習者の中間言語は目標言語に対して全体的に発達 していくが その中である規則や項目が不完全なままで発達が止まり そのままの状態で維持され 学 習者が特定の誤りを繰り返し示す この繰り返される永続的な誤りのこと 池上麻希子外 1998 日本語教育重要用語1 p3.

18 18 日本文化學報 第 55輯 5.3 指導法の効果 本実験を通して韓国語の音韻体系を応用した指導法による指導と練習により 学習者に よって多少の違いはあるものの 発音が改善されたことが明らかになった ｔ検定による有 意性検証からも明らかである 特に 実験の結果からも分かるように 初級学習者の場合 矯正にかなりの効果がある ことが分かった この結果は初級段階での発音指導が重要であることを示唆するものであ る 韓国語の音韻体系を応用した指導法の長所は 韓国語を応用しているので韓国人学 習者に理解面で早いと思われる 短所としては自己フィドバックができないことであることが分 かった 15) 6 結論 本研究は 特殊拍の中でも誤りが多発する日本語の特殊音素の促音の生成に見られ る誤用の特徴と傾向を明らかにすると同時に指導法の効果を検証することを目的として 韓 国語の音韻体系を応用した指導と練習を行い 以下のことが明らかとなった 促音の生成における持続時間は 韓国人日本語学習者 NNS 初級 中級共に後 続子音環境によって多少の差はあったが 日本語母語話者 NS より短いことが分かっ た 後続子音環境別の持続時間は 破裂音の場合に長く 摩擦音の場合に短い傾向が 強かった 学習レベル別にみた場合 初級 中級両方とも日本語母語話者より短かったが 中級 の場合がよりNSの持続時間に近接していた 次に 韓国語の音韻体系を応用した指導法の効果を調べた結果 初級 中級共に 指導の前の発音テスト１では NNSの持続時間がNSの持続時間より短い傾向が強く見 られたが 指導と練習を行った後は子音環境によって多少の違いはあるが NSとの持続時 間に近接していること ｔ検定による有意性検証の結果から韓国語の音韻体系を応用した 指導法による指導と練習が効果的であることは明らかであろう この結果からも分かるように 日本語と韓国語は似ているが 実際に音韻体系は違うとい うことをまず 教師が意識して学習者の母語の音韻体系を理解した上で両言語の相違点を 学習者に意識させることが重要であると考えられる 15) 実験後のアンケート調査で 思うように発音できない 正しく発音しているのか自信がないなど 学習 者の意見を参考にした

19 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 19 また 学習者の発音の問題点により適合した指導法が求められる 学習者が積極的に 発音矯正に参加できるように授業の雰囲気を作ること 様々な学習者に対応できる指導法 を工夫することが教師の大きな課題であると思われる 7 今後の課題 近年 コミュニケーションを中心とした音声教育が注目されており 戸田 24 は 意味 と文脈を重視したコミュニケーション活動の中で発音指導を実践することを提案している また 木村 21 は 言語習得はプロソディ 特にリズム ら始まり リズム イントネーションの獲得か イントネーションは 音声全体を一つにまとめる役割を担っているため単音 の調音法を学習しても 語らしさ は習得できなく リズム イントネーションの習得を優 先すれば 単音の指導 矯正も容易になると述べている 本調査では 単語レベルに限って行ったが 文レベルの実験を行い リズムの習得が 発音矯正に与える効果を明らかにしたい 本研究では 主に横断研究の方法を用いたが 今後は様々な音声指導法を用いて持 続的な指導と練習を行った場合 どのような効果が現れるかをみるため 縦断研究を取り入 れて研究を進めたい 最後に 韓国人日本語学習者が困難を感じている長音 清音と濁音 ザ行 アクセン ト イントネーションなどの音声項目に関して活発に実験を行い 多様でかつ適合した音声指 導法を探り出すと同時に 音声教材を作成して日本語教育現場に活用していきたい 参考文献 李明姫 1996) 韓国における日本語初級過程学生の聴音能力と発音能力の実態調査 国語学研究 26 東北大学文学部 pp 池上麻希子外 1998 日本語教育重要用語1 バベル プレス 大田真 23 中国語母語話者における促音の指導法についての考察 VT法と従来の 発音指導を比較して 拓殖大学言語教育研究 第3巻 pp 鹿島央 22 日本語教育をめざす人のための基礎から学ぶ音声学 スリーエーネット ワーク

20 2 日本文化學報 第 55輯 姜蓮華 24 韓国人日本語学習者の日本語音声の知覚に関する一考察 特殊音素 の促音を中心に 早稲田大学日本語教育研究 第5号 pp 振動器と身体リズム運動による発音指導 特殊音素の促音を中心に 日本文化学報 第51輯 pp 木村政康 21 音声教育法 VT法の理論を応用して 拓殖大学言語文化研究所 言語とコミュニケーション pp 金照雄 尾崎達治 1999 韓国人のための発音クリニック 時事日本語社 小圷博子 木村正康 川口義一 安富雄平 22 聴覚 言語障害教育および外国 語教育のためのVTS入門 特定非営利活動法人グベリナ記念ヴェルボトナル普及 協会 酒井真弓 26 韓国人学習者の日本語音声に関する研究 誤用調査と音声分析を中 心として 韓国外国語大学博士学位論文 韓国外国語大学大学院日語日文学科 戸田貴子 1997 日本語学習者による促音 長音生成のストラテジー 第二言語として の日本語の習得研究 第1号 凡人社 pp 日本語学習者による促音 長音 撥音の知覚範疇化 文藝言語 研究 言語篇 第33号 筑波大学文芸 言語学系 pp (21) 日本語音声習得の展望 第二言語としての習得研究 4号 第二言 語習得研究会 pp (23) 外国人学習者の日本語特殊拍の習得 音声研究 第7巻第2号 pp.7-83 (24) コミュニケーションのための日本語発音レッスン スリーエーネットワーク (27) 日本語教育における促音の問題 第11巻第1号 pp 福居誠二 1978 日本語の閉鎖音の延長 短縮による促音 非促音としての聴取 音声学会会報 159 pp.9-12 閔 光 準 韓国人 の日本語の促音の知 覚に つ い て 日本語教 育 6 2 号 pp b 日本語音声教育研究の現状と問題 日本語学シリーズ1日本語の現 状と問題 宝庫社 pp d 韓国人学習者の日本語発音に見られる促音挿入の現象 日本文化 研究 9 韓国日本文化学会 pp 韓国人日本語学習者の発話に見られる促音挿入の生起要因 音声研 究 第11巻第1号 pp.58-7 柳京子 25 韓国人のための発音練習 J&C Major, R.C A model for interlanguage Weinberger, S.H.(eds.), pp phonology.in Ioup, G.and

21 韓国語の音韻体系を応用した日本語促音の発音指導 姜 蓮 華 21 要 旨 韓国人日本語学習者の特殊拍の知覚と生成に現れる問題点は以前から数多く指摘されてき たが 実際に現場で活用できる指導法に関する研究は少ない 本研究はこの問題状況を基点とし 韓国人日本語学習者の初級と中級各1名を対象として 促音の生成に見られる特徴と誤りの傾向を調べた さらに 音声指導法の効果を検証すること を目的として 金 尾崎 1999 韓国人のための発音クリニック で提案している韓国語の 音韻体系を応用した指導法を利用した指導法による指導と練習の効果を検討するために実験を 行い 以下のことが明らかとなった 促音の持続時間の長さを初級 中級学習者と日本語母語話者を比べると 中級の場合は 日本語母語話者の持続時間により近づいているが 初級 中級共に後続子音環境全体にお いて日本語母語話者より持続時間が短い傾向が強かった 韓国語の音韻体系を応用した指導法による指導と練習後の発音テスト結果は 学習者により 多少違いはあるが 初級 中級両方とも促音の持続時間が日本語母語話者の持続時間に 近接しており 効果が確認できた しかし 後続子音環境によって韓国人日本語学習者の持 続時間が日本語母語話者より長くなる特徴が現れた 韓国語の音韻体系を応用した指導法の長所は韓国語を応用しているので韓国人学習者に 理解面で速いと思われるが その長所が逆に短所になる可能性がある 日本語と韓国語は似ているが 実際に音韻体系は違うということをまず 講師が意識して学 習者の母語の音韻体系を理解した上で両言語の相違点を学習者に意識させることが重要であ ると思われる キーワード 促音 生成 持続時間 子音環境 音韻体系 発音指導 투 고 : 차 심사 : 차 심사 :

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23 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 ( 김 대 성 * 1) hanbyeol@chonnam.ac.kr) 1. 들어가는 말 2. 베트남한자음과 티베트한자음 2.1 베트남한자음 2.2 티베트한자음 3. 한국전승한자음과 萬 葉 假 名 3.1 한국전승한자음 目 次 3.2 萬 葉 假 名 4. 之 운 재구음의 검토 4.1 선행학자의 재구음 4.2 재구음의 검토 5. 之 운의 중고 재구음 1. 들 어 가 는 말 중고음( 中 古 音 Ancient Chinese)의 추정에 대해서는 그동안 많은 학자들에 의해 연구되어 왔고, 그 성과 또한 상당하다는 것은 주지하는 바와 같다. 그런 데 선행학자들은 자료를 사용할 때, 일관성 있게 사용하기도 하였지만, 그렇지 못한 부분 즉 자신의 재구음의 타당성을 위해 적당한 자료만을 취사선택하는 경향도 있었고, 또한 자료를 사용하였던 당시의 관점의 한계 때문이기도 하지 만, 특히 한국자료에 대한 인식 부족 그리고 일본 자료에 대한 인식 부족 때문 에 마치 현대한국어나 현대일본어와 같은 관점에서 연구를 함으로써 그 연구 결과가 성과에 비해서 결과의 타당성이 미흡했던 것 또한 사실이라고 필자는 판단하고 있다. 이에 본고에서는 중고음 재구의 일환으로써 止 섭 微 운에 이어 그 두 번째로써 止 섭 之 운의 중고음을 재구 또는 구체적으로 논증하는 것을 목적으로 한다. 앞으로 본고의 결과는 止 섭 치음 4등자가 한국전승한자음에서 * 전남대학교 부교수 고대일본어학

24 24 日本文化學報 第 55輯 /ᄋᆞ/로 반영된 사실이 중고음과 어떤 관계를 가지고 있는지에 대하여 활용 하게 될 것이다. 그리고 연구방법과 연구범위, 본고에서 언급하지 않은 용어인 간접자료와 직접자료 등에 대해서는 김대성(212)에 자세히 언급하였으므로 본고에서는 생략하기로 한다. 2. 베트남한자음과 티베트한자음 2.1. 베트남한자음 베트남한자음(三根谷徹 미네야 토오루 1993:47-471)1)의 之운의 예를 보면 다음과 같다.2) <3등> [見k]3)ki 姬其基朞稘箕諆/cơ 姬基箕; kỉ, kỷ 紀己; ký 記 [溪k ]khi 欺/khư 抾/kì, kỳ 魌; khỉ 起屺杞/khởi 起/kỉ 杞/dĩ 芑; khí 亟 [羣g]kì, kỳ 其淇棊期琪祺碁萁旗 騏麒蘄/cờ 棋/cơ 綦期/ký /ky 綦; ; kị, k 忌 [疑ŋ]nghi 疑; nghĩ 擬儗薿譺; [曉h]hi 熙嘻嬉禧娭; hỉ 喜憙蟢; hí, hý 嬉憙 [于 ] ; hĩ 矣; [影 ]y 醫噫; ; ý 意/ỳ 意 [知ṭ] ; trỉ 微 ; trí 置 [徹ṭ ]si 癡痴齝/xi 癡/xuy 笞; sỉ 恥祉; [澄ḍ]trì 治持/chì 持; trĩ 峙痔; trị 値治/chị 値 [娘ṇ] ; nhĩ 你; [來l]li, ly 釐嫠犛狸梩貍/ly 莉; lí, lý 里俚娌理裏鯉李; lại 吏 [日ř]nhi 而洏栭胹陑輀/nhì ; nhĩ 耳;nhị 餌珥衈刵/nhĩ 餌 [莊ṭṣ]tri 菑淄緇輜鶅錙/chi 緇/truy 菑; trỉ 滓第; [初ṭṣ ]ty 颸/huy 輜; ; /xí 廁 1) 일본어의 우리말 표기법은 필자의 표기법에 의한다. 2) 三根谷徹는 之운을 3등과 4등으로 구분하지 않고 배열하였다. 필자는 3등과 4등으로 구 분하고 성모별로 다시 재배열하였다. 또한 ; 는 평성, 상성, 거성의 구분 표시이다. 3) 성모 재구음은 藤堂明保外(토우도우 아키야스 1971:24-25)에 의한다.

25 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 김 대 성 2 5 [ 牀 ḍẓ] ; sĩ 士 仕 /thị 柹 /tỉ 柹 ; sự 事 [ 疏 ṣ] ; sử 史 使 ; [ẓ] ; sĩ 俟 涘 騃 ; <4등> [ 精 ts]tư 玆 滋 孳 嵫 嗞 鎡 孜 /ti 玆 滋 鎡 ; tử 子 仔 秄 耔 梓 /tỉ 梓 /tí 子 ; [ 淸 ts ] ; ; thứ [ 從 dz]từ 慈 磁 ; ; tự 字 牸 孶 [ 心 s]tư 思 偲 罳 緦 司 伺 絲 /ti 司 偲 絲 蕬 ; tử 葸 /tỉ 葸 諰 枲 /nhĩ 枲 /bi 萆 ; tứ 笥 伺 思 /tư 笥 [ 邪 z]từ 詞 祠 辭 ; tự 似 姒 祀 /tị, t 巳 /dĩ 汜 /rĩ 汜 /tử 耜 /tĩ, luỹ 耜 ; tự 寺 嗣 /tư 飼 [ 照 ]chi 之 芝 ; chỉ 止 址 沚 芷 阯 趾 厎 畤 ; chí 志 痣 誌 織 識 [ 穿 ]xuy 嗤 媸 /suy 嗤 媸 ; xỉ 齒 ; xí 熾 幟 /si 熾 [ 審 ]thi 詩 ; thỉ 始 /thuỷ 始 ; thí 試 弑 僿 [ 禪 ]thì 時 蒔 鰣 榯 /thời 時 ; thị 市 恃 ; thị 侍 /trị 侍 [ 喩 j]di 怡 飴 貽 詒 台 頤 异 /ri 飴 貽 頤 /gi 頤 ; dĩ 以 苡 已 /rĩ 苡 ; dị 異 异 /rị 異 廙 /tự 食 之 운은 止 섭에 속하며 韻 鏡 에서는 내전제8개( 內 轉 第 八 開 )로 개구음만 있으며 순음은 존재하지 않는 3 4등단운( 單 韻 )이다. 위의 예를 전체적으로 보 면 3등과 4등 즉 등(division)의 구별 없이 i/y[i]로 반영된 것을 볼 수 있다. 총 256자 중에서 189자가 i/y[i]로 나타나 73.8%를 점하고 있다. 그런데 73.8% 이외의 반영에는 커다란 특징이 있다. 뒤에서 논하겠지만 한국전승한자음에는 止 섭의 경우 유독 치두음은 /이/가 아니라 / /로 반영되었는데, 이와 같은 경 향이 베트남한자음에도 보인다는 사실이다. 즉 치두음의 경우 i/y[i]가 아니라 u [ ]로 반영되었는데 총 48자로 18.7%를 차지하고 있다. 따라서 [i]와 [ ]가 약 92.6%에 이른다. 그 밖으로는 uy[ui] 9자, o [ ] 7자, o i[ i] 2자 그리고 ai[ i]가 1자씩 보인다. o 와 o i의 반영은, 특히 o i의 반영은 중고음 이전 어느 시기의 음일 가능성이 크다. 3등개음은 전혀 반영이 안 된 것으로 추정되며, 4 등 개음은 운미음과 함께 핵모음을 탈락시킨 것으로 보인다. 왜냐하면 nghiȇn cú u( 硏 究 ) t ien bo( 進 步 )와 같이 베트남 어에는 이중모음이 i a/iȇ /yȇ[i ]처럼 존 재하므로, 적어도 [i ]의 음을 지닌 예가 잔존해야 하지만 한 예도 없다는 것 은 핵모음의 탈락을 방증한다고 할 수 있다.

26 26 日 本 文 化 學 報 第 55 輯 티 베 트 한자 음 티베트한자음의 예( 羅 常 培 루어 츠앙페이 1933:43) 4) 는 다음과 같다. 5) <3등> [ 見 k] 記 gyi 記 ke i [ 溪 k ] 起 k i 起 k i [ 羣 g] 其 gi 其 k i 其 gi 其 gi [ 疑 ŋ] 疑 gu 疑 gi [ 影 ] 意 i 意 i 意 i [ 曉 h] 喜 hi 喜 hi 希 ( 微 운임)źi [ 牀 ḍẓ] 士 çi 士 çi 事 çe 事 çi 事 çi [ 日 ř] 耳 źi 耳 źi 而 źi, źu 而 źe [ 來 l] 理 li [ 徹 ṭ ] 癡 c i, ts a [ 澄 ḍ] 治 li 治 c i 持 ji 持 ji 持 ji 値 c i 値 ji <4등> [ 喩 j( 于 )] 貽 yi 異 yi 異 yi 以 yi, i, yi u 以 yi 以 yi 已 yi 已 yi 已 yi [ 精 ts] 茲 tsi 子 tsi 子 tsi, tse, ci 子 tse [ 從 dz] 慈 ts i [ 心 s] 思 si 思 si 思 si [ 邪 z] 祀 si 嗣 si 似 si [ 照 ] 之 ci,tsi 之 ci 之 ci [ 禪 ] 時 çi i 時 çi 時 çi 市 çi 侍 çi 기본적으로 티베트한자음도 베트남한자음과 같이 3등과 4등의 구별 없이 i/į[i]로 반영되었다. 티베트한자음의 자료는 9C경의 한자음을 티베트 문자로 적은 문헌과 티베트어를 한자로 표기한 것으로, 千 字 文 과 大 乘 中 宗 見 解 는 漢 藏 對 音 자료이고, 阿 彌 陀 經 과 金 剛 經 은 藏 文 譯 音 자료이다. 이 네 자료 모두 3등과 4등 구별 없이 주로 [i]로 반영되었는데, 베트남한자음 의 치두음이 i/y[i]가 아니라 일률적으로 u [ ]로 반영된 점과 비교해 보면, 기 본적으로 티베트한자음은 성모에 따른 차이 없이 [i]로 나타난 것이 특징이다. 그런데 여기에는 [i] 이외에 事 çe[ e] 子 tse[tse] 而 źe[ e] 記 ke i[kei]와 같이 [e] 음을 지닌 예가 눈에 띤다. 이돈주(199:72-89)는 치두음 4등의 / /의 반영을 12C음의 유입으로 보았는데, 티베트한자음의 자료들은 9C경으로 추정되므로 [e]의 반영을 한국한자음의 치두음 4등 / /의 반영과 연관 지을 수는 없다. 더 군다나 [e]의 반영이 치두음( 子 )에 머물지 않고 아음 見 모의 記, 치상음 牀 모의 事, 그리고 반치음 日 모의 而 와 같이 3등자에도 고루 나타나는 것을 보면, 중 고음 이전의 어느 시기음의 잔재로 추정된다. 6) 4) 중국어 우리말 적기는 씨케이시스템(김용옥 1992: )에 의한다. 5) 羅 常 培 는 之 운을 3등과 4등으로 구분하지 않고 모두 3등으로 처리하였다. 필자는 3등과 4등으로 구분하고 성모별로 다시 재배열하였다. 6) 이 문제에 대해서는 필자의 다음 연구에서 밝히도록 하겠다.

27 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 김 대 성 한국전 승 한자 음과 萬 葉 假 名 한국전 승 한자 음 之 운의 한국전승한자음( 훈몽자회(1527년) 천자문(1575년) 신증유 합(1576년) )의 예는 다음과 같다. <3등> [ 見 k] 基 箕 긔/ 姬 희 [ 溪 k ] 起 긔 [ 羣 g] 旗 棊 錤 麒 긔 [ 徹 ṭ ] 癡 티/ 笞 [ 澄 ḍ] 痔 티 [ 娘 ṇ] 你 니 [ 莊 ṭṣ] 輜 鯔 츼/ 滓 [ 初 ṭṣ ] 厠 (치,츼) [ 牀 ḍẓ] 士 事 ( ) / 柿 시 [ 疏 ṣ] 史 [ 影 ] 蟢 意 의 [ 曉 h] 蟢 희 [ 日 ř] 栭 輀 耳 (이) 餌 (이) / 珥 ( )이 [ 來 l] 狸 里 理 娌 鯉 嫠 裏 (니) 吏 (니)리/ 李 니 <4등> [ 精 ts] 滋 鎡 鶿 鼒 子 耔 / 梓 [ 從 dz] 慈 孶 字 牸 [ 心 s] 絲 蕬 司 笥 [ 邪 z] 祀 耜 寺 (시) 詞 祠 飼 [ 照 ] 芝 沚 趾 志 痣 지 [ 穿 ] 蚩 齒 치 [ 審 ] 詩 시 [ 禪 ] 時 塒 蒔 市 시 [ 喩 j( 于 )] 頤 苡 貽 飴 苢 이 3등의 경우 아음과 후음은 /의/로, 치상음은 / / /의/ /이/ / /로 나타나며 나머지 음은 주로 /이/로 나타난다. 이에 대하여 4등의 경우는 치두음은 / / 로 정치음과 후음은 /이/로 반영되었다. 베트남한자음과 비교하면 4등 치두음 이 [ ]로 반영된 점과 유사하게 / /로 나타난 점이 큰 특징이라 할 수 있다. 치상음의 경우 베트남한자음의 경우 i[i]가 23예 중 18예로 78%를 차지하고 [ ]가 史 使 s 事 s 3예, uy[ui]가 菑 truy 輜 huy 2예로 그 예는 적지만 마치 한국한자음의 / /(4예)와 /의/(3예)에 대응하는 예가 보인다. 그런데 止 섭 치두 4등음이 한국전승한자음에서 일반적으로 / /로 반영된 이 유에 대하여, 박병채(1986: )는 有 坂 秀 世 (아리사카 히데요)가 / /의 반영 을 근거로 한국한자음이 1세기 개봉음( 開 封 音 )에 기초한다는 주장과 달리, Karlgren과 有 坂 秀 世 의 상고 추정음을 근거로 / /는 상고음의 반영이라고 보았 다. 이에 대하여 이돈주(199:78-79)는 王 力 (왕리)가 精 系 字 가 tsi>tsï(ts i>ts ï, si>sï)로 변한 시기를 12세기 이전으로 추정한 것을 근거로, 치두 4등의 / /의 반영은 12세기경의 치두음의 운모가 i>ï[ ]로 변한 것을 / /([ ])로 받아들인 것 으로 보았다. 이와 같이 상고음설과 12C설 등으로 나뉘는데 이에 대해서는 필자 는 중고음설의 가능성만을 언급하고 다음으로 미루기로 한다.

28 28 日 本 文 化 學 報 第 55 輯 따라서 / /로 반영된 것을 제외하면, 3등 아음의 /의/ 이외에는 3 4등 모두 /이/로 반영된 것을 볼 수 있다. 아음 /의/의 반영은 다음 장의 萬 葉 假 名 (만요 우가나)와 밀접한 관계가 있으므로 뒤에서 다시 논하기로 한다 萬 葉 假 名 萬 葉 假 名 의 之 운을 제시 하면 다음과 같다. 3등 [ 見 k] 己 kö/ 己 kï 基 kï 記 kï 紀 kï [ 羣 g] 其 gö 忌 kö 期 gö 碁 gö [ 疑 ŋ] 疑 gï 擬 gï [ 影 ] 意 o [ 牀 ḍẓ] 事 si 士 zi 仕 zi [ 日 ř] 珥 zi 耳 zi 餌 zi 而 ni 珥 ni 耳 ni [ 來 l] 里 rö/ 里 ri 理 ri 釐 ri [ 徹 ṭ ] 笞 ti 恥 ti [ 澄 ḍ] 治 di 4등 [ 喩 j( 于 )] 已 jö/ 已 i 以 i 異 i 怡 i [ 精 ts] 茲 si 子 si [ 淸 ] 偲 si [ 從 dz] 慈 zi [ 心 s] 思 sö 思 si 司 si 伺 si 偲 si [ 邪 z] 詞 si 寺 si 嗣 si 寺 zi 辞 si [ 照 ] 之 si 志 si 止 tö [ 審 ] 詩 si 始 si 試 si [ 禪 ] 時 si 時 zi 3등의 경우 아음은 /ö/와 /ï/로 나타나는데, /ö/의 경우는 5.2에서 언급하겠지 만 중고음 이전 어느 시기음의 반영으로 보이며 이것은 來 모의 里 가 /rö/로 반 영된 것과 동일한 것으로 추정된다. 影 모의 意 가 한국한자음에서 /의/로 반영 되었기 때문에, 또한 같은 아음이 /의/로 나타나기 때문에 /ï/로 투영될 것으로 예상이 되지만 /o/로 반영된 점이 특징이다. 이 이외에는 설상음 치상음 반설 반치음 모두 /i/로 반영되었다. 따라서 중고음은 /ï/와 /i/로 나타난다. 4등의 경 우 喩 모 已 /jö/ 心 모 思 /sö/ 照 모 止 /tö/ 와 같이 /ö/로 반영된 것은 3등과 마찬 가지로 중고음 이전의 반영음이다. 그 이외에는 치두음 정치음 후음 모두 /i/ 로 나타난다. 따라서 4등은 중고음에서는 모두 /i/의 반영을 보이고 있다. 4. 之 운 재 구음의 검 토 4. 1 선 행 학 자 의 재 구음 3 4등단운인 之 운에 대한 선행 학자들의 재구음을 제시하면 다음과 같다.

29 止攝 之韻의 중고음에 대하여 김 대 성 29 Bernhard Karlgren(1963: ): [(j)i] 陸志韋(루 즈웨이 1985:44-48): [i( )i( i)] 王力(1985: ): 脂旨至質①7) [i, ui, it, uit] 董同龢(똥 통후아 1993: ): [-i] 嚴學宭(옌 쉬에췬 199:73-74): [ji] 藤堂明保(198: ): /r-jej/ ([ ei] [iei])( 眞 に並行) ただし六朝時代に は/r-j j/([ i] [i i]) 河野六郎(코우노 로쿠로우 1993:13-111): [-ïi]8) (脂/之) [-ii] (脂/之) 平山久雄(히라야마 히사오 1966:42-68): /i /[i ˇ ] (또는 [i ]) E.G.Pulleyblank(1984:23-24): [ ] 각 학자들의 재구음의 근거를 간단히 살펴보면, Bernhard Karlgren은 한국 과 베트남한자음, 한음과 오음 그리고 현대중국방언음을 근거로 제시하였는데, 그의 (j) 표기는 But in our present category U-V we find, contrary to the general rule, yodized initials even before vocalic i : 124 a and 125 a Anc. kji (here, then, it is necessary to express the j : kji, as indicated by the yodized series of fan-ts'ie spellers; the typographical simplification is not applicable here). (p.264) 와 같이 성모의 요드화(yodization, a mark of palatalization)를 나타내며 활음 (glide)이 아니므로 운모 [i]는 중설모음의 [ ]가 아니라 전설모음임을 보여준다. 陸志韋는 현대중국방언음과 외국의 한자 차용음은 재구에 도움이 안 되어 상 고음과의 관계를 근거로 제시하였다. 그의 (>i) 는 절운 시대의 방언음 중에 이미 단모음화한 것을 나타내고, ( )는 [ ]에서 변한 약모음을 나타낸다.9) 王力 는 四聲等子를 근거로 之 脂 支운을 같은 음으로 추정하였으며, Karlgren의 支운 추정음과 다른 이유를 高本汉把脂韵拟测为[i, w i] 之韵拟测为[i] 都是对的; 他把支韵拟测为[iĕ, iwĕ] 也不算很错 因为如上文所论 在隋唐初期 在某些方言里 支韵还是独立的 (p.227) 7) ① 四声等子 在止攝雖只標爲脂旨至質, 但是圖內兼收支紙寘, 之止志, 昔錫等韻的字 8) 필자의 표기로 바꾸면 [ i]가 된다. 9) ( i) 表示在 切韵 时代的方言裏已经可以单元音化 ( )表示从 变来的弱元音 (pp.47-48)

30 3 日本文化學報 第 55輯 와 같이 Karlgren의 추정음은 수당 초기의 어느 지방의 방언음에서 나타난 것 을 제시한 것으로 보았다. 董同龢는 福州와 厦門 지방음에서 [i]로 나타난 것을 근거로 제시하였는데 그의 재구음 [i]는 關於各韻母的標音, 有一點要說明的, 就是:遇主要元音是-i時三等韻母必有的介音 -j- 都略去 와 같이 실제로는 [ji]이다. 이것을 필자의 표기로 바꾸면 [ ii]로 추정한 것이 다. 嚴學宭은 재구음과 근거가 董同龢와 같다. 藤堂明保는 之운이 오음에서 オ단으로 나타나고 萬葉假名에서 オ단을류로 나타나지만, 한음에서는 欣 眞 侵운이 イ단으로 반영된 것과 마찬가지로 イ단 으로 반영된 것을 근거로 삼고 있다. 그런데 그의 재구음의 근거에서는 /ï/의 반영을 문제로 취급하지 않고 있다. 河野六郞는 之운과 脂운이 이미 합류한 것 으로 추정하여 脂운에 之운을 편입시켰으므로 脂운의 근거를 제시하면, 萬葉假 名의 갑류와 을류의 반영, 한국한자음에서 갑류는 /이/로, 을류는 /의/로 나타 난다는 점과 베트남한자음에서 순음이 을류에서는 순음으로 나타나지만 갑류 에서는 치음과 설음으로 반영된 것을 근거로 제시하였다. 平山久雄는 다른 학자들과는 달리 Pulleyblank처럼 해석을 달리하고 있는데 이해를 돕기 위해 해당 부분을 인용하면 다음과 같다. 之韻牙喉音がC類であつたと知ることにより 之韻が音韻論的に奥舌主母音を含むも のとして 脂韻開口とは異なる音価を有したことが確定されるのである (p.54) 中古音 では之韻だけに/- /が残されたわけである やがて八世紀末の慧琳音義の音韻体系で 之韻が他の止摂諸韻と合流するに及び 音素/- /は消滅することとなつた 音声として は 之韻/-i /は大略[-i ˇ ]の如くであつたと考える 或は殆ど[-i ]であつたかも知れな い すなわち /- /は介育/-i-/の同化を蒙り調音点を大きく前進させて[- ]となつてい た 主母音/ /は介音 韻尾の双方から同化と吸収を受け微かな[ ]音としてあらわれる か 或は全く音声面にあらわれなかつた と考える なお 之韻の韻尾[- ]は微韻の 韻尾[-i]に比べ 舌面のより鈍感な部分で調音されるために / /に該当する[ ]音との間 に調音上の明瞭な区切りをつけにくく そのため[ ]音を吸収する程度が[- ]において一層 大きかつたのだ と考える われわれの説がこれらと異なる点は 切韻音推定の根本 資料である切韻系韻書の反切そのものの内部に 推定の鍵を見出したことにある (pp.55-56) 즉 그는 Karlgren이 사용한 자료를 인정한 후 핵심은 절운계운서의 반절(C類

31 止攝 之韻의 중고음에 대하여 김 대 성 31 上字)에서 그 근거를 찾았다. 특히 운미음을 [i]가 아니라 설면의 위치가 앞으 로 이동하여 조음되는 음으로써 약한 [ ]([ ])음을 흡수할 정도로 추정하였다. E.G.Pulleyblank는 之운을 중설의 [ ]로 재구하였는데 그는 Karlgren의 재구음 을 토대로 하여 다음과 같이 개구음에서 개음 -j(glide)가 없는 것으로 보았다. It is true that a special rule is required, restoring a -j glide, to account for the change of EMC -wi to LMC -yj, but to assume -j glides in kaikou would complicate the rules for the merger of EMC - with -i and for the LMC loss of -i after sibilants, giving - and -. To assume that -i had no final glide in EMC helps to explain the fact that it merged first with - and -iă which were all tongyong by the end of the seventh century, while 微 - j remained distinct for a longer time.(pp.23-24) 이상과 같이 之운의 선행 학자들의 재구음을 검토해 보았는데, 이상의 음을 간추리면 [i](여기에는 3등의 경우 [ ii]도 포함)가 가장 많고, 중설의 [ ], [ ïi e ([ i])/ ii], [iˇ ] 그리고 [ ei/iei]와 [i( )i]이다. [i( )i]는 [i i]인지 [i i]인지 명확 하지 않지만, 陸志韋는 微운을 [ i]로 재구하였으므로 [i i]는 微운과 핵모음이 e e 같으므로 제외된다. 그러면 [i i]가 남는데, [i i] 또한 [i i]의 표기가 있으므로 e e 아마도 [i i]보다도 더 약한 [ ]를 의미하는 것으로 보인다. 4.2 재구음의 검토 그러면 이상의 음을 가지고 2 3장에서 제시한 자료를 검토해 보기로 한다. 먼저 之운 중고음이 [i](3등[ ii]<karlgren은 [i]1)>, 4등[i])이었다고 한다면, 베 트남이나 티베트 자료의 설명과 4등의 한국한자음과 萬葉假名의 음차자 사용 에 대한 설명은 가능하겠지만, 특히 3등의 한국한자음의 아음과 후음의 /의/와 萬葉假名의 아음의 다음 예와 같이, 式部大輔石上堅魚朝臣歌一首 [左注]右神龜五年戊辰大宰帥大伴卿之妻大伴郞女 遇病長逝焉 于時 勅使式部大輔石上朝臣堅魚遣大宰府弔喪幷賜物也 其事旣 畢驛使及府諸卿大夫等共登記夷城而望遊之日乃作此歌 (萬葉集 권8 1472번) 1) Karlgren은 앞에서 언급한 것처럼 之운을 (j)i로 추정하였는데 이것은 어디까지나 인쇄 의 편의상(typographical simplification) j를 생략했던 것을 之운에서는 반절상자에 3등자 를 사용함으로써 생략하지 않은 것이다. 그런데 그의 (j)i는 예를 들어 성모가 k인 경우 로 설명한다면, k(j)i는 운모가 [i]가 되는데 만일 성모가 k(j)가 아니라 k라 하더라도 전 설모음 [i]에 의해 k는 k(j)가 되어 그 실현음이 똑같이 [k(j)i](=[ḳi])가 된다.

32 32 日 本 文 化 學 報 第 55 輯 珥 比 麽 利 菟 玖 波 塢 須 擬 氐 異 玖 用 伽 禰 菟 流 ( 日 本 書 紀 歌 謡 25 番 ) 耶 麽 能 謎 能 故 思 麽 古 喩 衛 爾 比 登 涅 羅 賦 宇 麽 能 耶 都 擬 播 嗚 思 稽 矩 謀 那 斯 ( 日 本 書 紀 歌 謡 79 番 ) 記 擬 가 /ï/로 쓰인 사실은 설명할 수가 없다. [ ii]는 [ i]와 [i]가 조음점이 같아 서 한국한자음의 경우 아음도 /이/로 반영되었을 것이고, 萬 葉 假 名 또한 갑류 인 /i/로 나타났을 것이다. [ ]로 추정할 경우, 여기에는 3등과 4등 구분없이 [ ] 로 재구한 것인데, [i]에서의 설명과 같이 3등과 4등의 차이가 존재한다는 점을 설명할 수 없는 난점이 있다. [ ei] 11) 와 [iei]의 경우 3등과 4등에 개음의 차이 가 있는 점은 유용하지만, 핵모음이 [e]인 이상 베트남한자음에 [e]의 반영자를 기대할 수 있고, 그것도 어느 정도 상당수가 존재할 것으로 기대할 수밖에 없 는데, 소수의 예가 아니라 그 예가 하나도 없다는 점은 이 재구음에 무언가 문 제가 있음을 시사한다고 할 수 있다. 또한 티베트한자음에 記 ke i 事 çe 而 źe 子 tse와 같이 [e] 혹은 [ei]의 흔적을 볼 수는 있지만, 이것이 다수를 차지하지 못 한다는 점은 이미 앞에서 논한 바대로 중고음 이전 시기음의 잔재로 볼 수밖 에 없어 이 또한 설명이 어렵다. 한국한자음의 경우에 [e]는 가4등운( 假 4 等 韻 ) 인 齊 운 개구음([ei]로 추정됨)의 예가 [ 見 k] 計 稽 鷄 계 [ 溪 k ] 啓 契 계 [ 疑 ŋ] 猊 鯢 霓 예 [ 影 ] 曀 예 [ 曉 h] 醯 혜 [ 匣 ] 蹊 系 계 [ 端 t] 堤 邸 帝 뎨/ 諦 蔕 톄[ 透 t ] 體 涕 톄/ 梯 뎨 [ 定 d] 蹄 啼 弟 第 뎨 [ 來 l] 藜 禮 例 儷 례/ 戾 黎 려 [ 精 ts] 濟 霽 졔 [ 淸 ts ] 妻 쳐 [ 從 dz] 齊 薺 졔 [ 心 s] 細 洗 셰 [ 幫 p] 閉 嬖 폐 [ 滂 p ] 陛 梐 폐 와 같이 기본적으로 핵모음 [e]가 /여/로 수용되었는데, 之 운4등 [iei]는 개구개 음이 강한 [i]이므로 단순히 /예/의 반영이 아니라 [i]를 살릴 수 있는 어떤 음 으로 받아들였을 가능성이 있지만, 그 점을 무시한다고 하더라도 핵모음 [e]를 나타내기 위해서 /여/의 형태는 있었을 것이며, 더군다나 3등은 [ ei]로 개음이 약하므로 [ ]를 수용하지 않게 될 가능성이 크므로 /예/와 같이 반영되었을 것 이다. 그러나 3등과 4등의 반영음은 /의/ / / /이/로 /예/의 반영이 전혀 없다 는 점을 설명할 수 없다. 萬 葉 假 名 의 경우에도 3등의 [ ei]는 齊 운의 計 와 鷄 가 暮 相 而 朝 面 無 美 隱 爾 加 氣 長 妹 之 廬 利 爲 里 計 武 ( 萬 葉 集 권1 6번) 11) [ ]는 [i]의 이완음(lax)이 아니라 [i]와 [ ]의 중간음을 나타낸다.

33 止攝 之韻의 중고음에 대하여 김 대 성 33 椰勾毛多菟 伊頭毛多鷄流餓 波鷄流多知 菟頭邏佐波磨枳 佐微那辭珥 阿波禮 (日本書紀歌謡 2番) 와 같이 /ke/ 즉 갑류의 [e]로 사용된 것처럼 주로 エ단으로 쓰였을 것인데, 실제로는 /ï/와 /i/로 나타난 사실로 보아 이 재구음을 받아들일 수 없다. ([ i])12)와 [ ii]의 경우 전자가 3등, 후자가 4등인데, 4등의 경우는 비록 4등 개음을 [i]가 아니라 [ i]로 추정한다고 해도 앞서 논한 바와 같이 베트남과 티 베트한자음에서 주로 [i]로 반영되었고, 한국한자음에서 /이/와 萬葉假名에서 /i/로 수용되었으므로 중고음 이전 시기음의 고려를 제외한다면 재구음으로서 는 문제가 없는 것 같다. 그러면 3등의 [ i]의 경우는 어떠한지 검토해 보자. 먼저 베트남한자음의 경우 u i나 u y 즉 [ i]가 가장 근접한 음으로 추정할 수 있다. 그런데 베트남 모음체계에서는 [ i]와 같은 음이 존재하지 않는다. 따라 서 이에 가장 근접한 음으로는 ui/uy[ui]를 고려해 볼 수 있는데 이 예는 笞 xuy 菑truy 輜truy와 같이 3등에 존재한다. 그런데 두 가지 점에서 문제가 있 다. 첫째, uy는 4등에도 耜lu 嗤媸xuy/suy 始thu 와 같이 존재하므로 3등만의 특징이라고 할 수 없고, 둘째, 그 예가 극히 적다는 점에서 중고음과 연관시키 는 데 한계가 있다. 예가 적다는 것은 수용 시기가 달랐을 가능성을 내포하기 때문이다. 여기에는 물론 [ui]로 보면 [u]가 합구성을 지닌다는 점에도 문제가 있기는 매한가지이다. 즉 之운은 개구음이기 때문이다. 그렇다고 해서 [ i]의 근원을 4등 치두음에 집중적으로 나타나는 u [ ]로 추정할 수도 없다. 그 이유 는 [ i]는 3등이지 4등이 아니기 때문이다. 따라서 [ i]의 해석은 개음을 탈락 시킨 [i]의 반영으로 볼 수밖에 없다. 티베트한자음도 티베트어의 모음체계에서 [ ]가 존재하지 않고 더군다나 [ i] 또는 [ui]등이 존재하지 않는다는 점을 고 려한다면, 3등과 4등을 구별하지 않은 이유가 설명이 된다. 그리고 한국전승한 자음의 /의/의 반영과 萬葉假名의 /ï/의 반영은 [ i]의 3등개음의 중설적 요소 를 반영한 것으로 해석이 가능하기 때문에 재구음 [ i]는 상당히 설득력이 있 다. 다만 중고음 이전 시기의 萬葉假名의 /ö/의 반영과 연관 지었을 경우에 之 운의 변천을 설명하는 데 한계가 있다는 맹점이 있다. 마지막으로 [i ](또는 [i ])의 경우, 4.1의 인용에 의해 음성기호를 바꾸어 표시하면 [i ](또는 [i ])가 되는데, 平山久雄는 운미음 [ ]에 의해 핵모음 [ ]가 흡수될 정도이므로 [i ]와 같은 음으로도 추정한 것인데, 이와 같은 [i ]([i ]를 포함해서)는 베트남과 티베트한자음에서 3 4등이 구별 없이 반영된 사실을 설 명할 수 있다. 그러나 한국전승한자음의 /의/와 萬葉假名의 /ï/의 반영을 설명 12) [ ïi] 대신에 [ i]로 설명하기로 한다.

34 34 日 本 文 化 學 報 第 55 輯 하기 어려운데, 만일 [ ]가 [ ]에 흡수되지 않았다면 /의/와 /ï/의 반영은 설명 이 가능하다. 다만 운미음이 긴장된(tense) 음이 아니라 이완된(lax) 음이기는 하지만, 마치 영어의 sick나 廣 東 語 의 京 (ging 1 [k ŋ])이나 極 (gik 6 [k k])의 단 모음이 음성학적으로 [ ]로 표기되지만 음색은 [e]에 가까운 음이 되는 것과 달리 [i]에 가까운 음이어야 할 것이다. 그렇다 하더라도 운미음이 [i]가 아니라 이완된 [ ]이 기 때문에, 중고음 이전에 강한 중설의 핵모음을 지녔을 것으로 추정되는 之 운이 중고음에 이르러 핵모음의 약화 단계를 거쳐 중당( 中 唐 )이후 에 탈락하는 단계까지 이르지 못했을 가능성이 크다. 5. 之 운 의 중고 재 구음 본 장에서는 之 운의 중고음을 재구하기로 한다. 또한 나가는 말을 대신하기 로 한다. 필자는 之 운의 중고음을 [ i i]와 [i i]로 추정한다. 그 근거는 다음과 같다. 첫째, 한국전승한자음에 의한다. 한국전승한자음은 4.1에서 살펴본 바와 같이 之 운3등은 성모에 따라 반영음에 차이를 보이고 있는데 반해, 4등의 경우 치두 음은 일률적으로 / /로 정치음과 후음은 /이/로 반영되었는데, / /의 반영은 본고의 연구범위를 넘기 때문에 제외하면, /이/의 반영은 개구개음 [i]와 운미 음[i]를 전제로 할 수밖에 없다. 특히 4등 개구개음의 경우 한국전승한자음에서 는 개구개음의 반영을 그대로 보여 주는데, 예를 들면, < 東 운4등> [ 喩 y( 于 )] 育 (휵) 毓 鬻 육 [ 知 ṭ] 中 듕/ 竹 듁/ 忠 衷 튱/ 築 튝 [ 澄 ḍ] 冲 翀 蟲 튱/ 逐 妯 舳 軸 튝 [ 來 l] 窿 륭/ 六 (뉵) 陸 륙 [ 心 s] 宿 (슈) 夙 (슈) 蓿 슉/ 菘 숑 [ 照 ] 粥 쥭/ 終 螽 죵 [ 穿 ] 茺 銃 츙 [ 審 ] 叔 菽 슉 [ 禪 ] 孰 熟 塾 淑 슉 [ 日 ř] 戎 (융) / 肉 ( )육 < 魚 운4등> [ 喩 j( 于 )] 與 餘 蜍 予 鸒 輿 蕷 여/ 預 豫 譽 예 [ 知 ṭ] 潴 뎌 [ 徹 ṭ ] 摴 樗 楮 뎌 [ 澄 ḍ] 儲 苧 杼 筯 뎌/ 芧 셔 [ 娘 ṇ] 女 녀 [ 來 l] 呂 盧 閭 侶 (녀) 旅 膂 鑪 려 [ 精 ts] 蛆 沮 져 [ 淸 ts ] 疽 져 [ 心 s] 絮 셔 [ 邪 z] 序 嶼 셔 [ 照 ] 渚 져/ 諸 졔/ 煮 翥 쟈 [ 穿 ] 處 쳐/ 杵 져 [ 神 ] 抒 셔 [ 審 ] 書 鼠 暑 黍 恕 (져)셔 [ 禪 ] 署 薯 曙 墅 셔 [ 日 ř] 茹 汝 (여) 洳 < 諄 운4등합구>

35 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 김 대 성 3 5 [ 見 k] 橘 귤 [ 喩 j( 于 )] 鷸 (암) 繘 휼 [ 徹 ṭ ] 椿 츈/ 黜 (츌)튤/ 楯 슌 [ 澄 ḍ] 莍 튤 [ 來 l] 淪 輪 륜/ 葎 률 [ 精 ts] 儁 쥰 [ 淸 ts ] 皴 쥰 [ 心 s] 筍 슌/ 銊 슐/ 隼 쥰/ 恤 휼 [ 邪 z] 旬 슌 [ 照 ] 準 俊 稕 쥰/ 肫 둔 [ 穿 ] 春 츈/ 蠢 쥰 [ 神 ] 脣 盾 슌/ 術 슐 [ 審 ] 蕣 슌/ 瞬 (슌)순 [ 禪 ] 蓴 (쓘) 醇 鶉 슌 [ 日 ř] 閏 (윤) < 麻 운4등개구> [ 喩 j( 于 )] 也 野 冶 夜 야 [ 精 ts] 借 챠/ 罝 姐 져 [ 從 dz] 褯 (쟈)챠 [ 心 s] 寫 (샤)쌰 [ 邪 z] 謝 邪 斜 샤 [ 照 ] 者 赭 炙 (젹) 柘 쟈 [ 神 ] 麝 샤/ 射 (샤/셕)쌰 [ 審 ] 奢 賖 舍 샤 [ 禪 ] 社 蛇 샤 와 같이, 東 운4등은 /웅/이 아니라 /융/으로, 魚 운4등은 /어/가 아니라 /여/로, 諄 운4등 합구음은 /운/이 아니라 /윤/으로, 麻 운4등은 /아/가 아니라 /야/로 반 영되어 개구개음 [i]의 존재를 확인할 수 있다. 이 사실은 之 운4등의 /이/의 반 영에는 개구개음 [i]가 /이/로 반영되어 있음을 말해주며, 또한 운미음도 [i]이 었음을 보여준다. 즉 /이/의 반영은 개구개음 [i]와 운미음 [i]의 반영으로 볼 수 있다. 문제는 핵모음이 어떤 음가이었는가인데, 微 운이 개구음은 /의/로, 합 구음은 /위/로 규칙적인 반영을 보이면서 몇 몇 자에서는 虺 卉 /훼/ 13) 와 緋 /ᄇᆡ/ 의 반영이 보이며, 특히 전자는 중고음 이전 시기음의 반영으로 추정되므로 중 고음 이전 시기음과 중고음간의 관계를 한국전승한자음에서 찾을 수 있는 것 과는 달리, 之 운의 경우는 중고음 이전 시기음의 예가 존재하지 않아 핵모음의 추정이 쉽지 않다. 3등의 경우 설두음과 반설반치음이 /이/로 나타나 3등과 4등의 차이도 구별 이 안 되는데, 그 이유는 之 운이 3 4등단운이라는 점에 있다. 3 4등단운의 개 구개음은 3등은 [ i]로 4등은 [i]로 추정되기 때문에, 3등의 경우도 4등과 같이 개구개음이 같은 전설모음인 [i]의 반모음이므로 3등의 /이/는 개구개음과 운 미음의 반영이라는 점은 분명하다. 그런데 설상음의 / /의 반영과 달리 아음 과 후음의 /의/의 반영에서 핵모음의 실마리를 찾아볼 수 있다. 즉 /의/의 반 영에서 운미음의 /이/의 반영을 제거하면 중설모음인 /으/로 반영되었으므로 중고음의 핵모음은 중설모음과 관련이 있음을 유추할 수 있다. 14) 이와 같은 사실은 萬 葉 假 名 의 사용에서도 확인할 수 있다. 중뉴3등운이나 순3등운인 경우 에 萬 葉 假 名 에서는 일반적으로 을류로 나타나는데, 止 섭 중에서 支 운과 脂 운은 13) 김대성(212) 참조. 14) 필자는 고대국어의 모음체계를 /이/=[i], /우/=[u], /으/=[ ~ ], /어/=[ ], /오/=[u], / /=[ ], /아/=[ ] 와 같이 추정한다.

36 36 日本文化學報 第 55輯 3 4등중뉴운이며 微운은 순3등운이므로 중설적인 개음에 의해서 3등이 을류로 쓰일 수 있었지만, 之운은 3 4등단운이므로 3등개음 [ i]에 의해서는 을류로 사 용되기가 어렵다. 그런데도 불구하고 之운 3등의 아음이 을류로 사용되었다는 것은 핵모음에 중설적인 요소가 존재했음을 시사한다고 할 수 있다. 3 4등단운 을 지닌 운에는 東 種 魚 虞 陽 蒸운이 있는데, 이 중에서 을류가 나타나는 것 은 安之比奇能 夜麻治古延牟等 須流君乎 許許呂爾毛知弖 夜須家久母奈之(萬葉集 권 번) 神左振 磐根己凝敷 三芳野之 水分山乎 見者悲毛(萬葉集 권7 113번) 와 같이 魚운([ i ]로 추정)과 蒸운([ i ŋ][i ŋ]으로 추정)으로 전자의 경우는 핵 모음이 중설모음으로 추정된다. 문제는 어떤 이유로 후설모음으로 추정되는 魚 운이 /ö/15)로 즉 중설적으로 사용이 가능했던 것인가이다. 그 이유는 전설 개 모음 [ i]에 있다. 3등개음은 4등처럼 직접적으로 그 흔적을 남기지는 않지만, 간접적으로 핵모음에 영향을 준다는 점에 그 특징이 있다. 즉 후설 핵모음을 지닌 魚운이 전설 개음인 [ i]에 의해 중설적으로 이동함으로써 萬葉假名에서 /ö/로 사용이 가능했던 것이다. 이와 같이 비록 3 4등단운에 속한다고 하더라 도 핵모음이 중설적이거나 또는 중설화함으로써 을류로 사용된 것처럼, 3 4등 단운인 之운이 한국전승한자음에서 /으/로 반영된 것은 핵모음이 중설적이거 나 중설화가 가능한 음이었기 때문으로 추정된다. 필자는 이 중에서 중설적인 핵모음으로 판단하여 之운을 [ i i]와 [i i]로 추정 한다. 그러나 강한 핵모음을 지닌 [ i i]와 [i i]로 추정하지 않는 이유는 만일 이와 같은 음이었다면 한국전승한자음에서는 반드시 /에/와 /예/의 예가 상당 수 존재하거나, 마치 성모에 따라서는 /의/와 /이/로 일률적으로 나타나듯이 일률적으로 /에/와 /예/의 예가 존재했을 텐데 3 4등 모두 /에/와 /예/의 예는 하나도 존재하지 않기 때문이다. 따라서 3등의 [ i i]는 개음과 핵모음으로 이 루어진 [ i ]가 운미음의 [i]에 의해 [ ]의 탈락이 예상되나, 4등 개음이 모음 [i] 인 것과 달리 반모음의 [ i]이기 때문에 즉 약한 모음이기 때문에 []를 탈락시 키지는 못하고 개음과 함께 /이/와는 구별되는 음을 이루게 되어 /으/로 반영된 것으로 추정된다. 고대국어의 중설에는 /우/ /으/ /어/가 존재하는데 /우/([u])는 원순모음인 관계로 [ i ]와 차이가 크고, /어/([ ])는 중모음이나 저모음인 [ ]나 15) 필자는 고대일본어를 8모음체계로 보며 특히 을류는 /ï/=[ i ](단, [ i]설도 배제하지 않 는다)], /ë/=[ (또는 e)], /ö/=[ ] 와 같이 추정한다. 김대성(23:19-148) 참조.

37 止攝 之韻의 중고음에 대하여 김 대 성 37 [ ]음의 전사로 대부분 사용되었으므로 [ i ]와는 음의 차이가 있었음을 알 수 있다. 따라서 남은 것은 /으/인데 /으/는 [ ]로 추정되므로 [ i ]에 근사한 음은 아니지만 /이/와의 구별을 위해 차선으로 선택된 것으로 보인다. 4등의 [i i]는 강한 개음과 운미음에 의해 약한 핵모음 [ ]가 잘 들리지 않게 됨으로써 한자음의 전사 과정에서 탈락시켜 /이/로 반영된 것으로 추정된다. 둘째, 일본 고대 자료를 근거로 들 수 있는데 특히 萬葉集(만요우슈우)의 萬 葉假名의 반영례를 주요 근거로 들 수 있다. 이 근거는 한국전승한자음보다도 유력하며 기타 다른 자료보다도 중요하다. 그 이유는 자료의 시대가 명확하며, 그 시기가 중고음을 전후로 하여 수백 년에 걸쳐 있어서 자료의 분석에 의해 중국 성운학의 변화(演變)를 유추할 수 있기 때문이다. 之운은 /ö/ /ï/ /i/로 세 가지 음이 공존하는데 3등 來모의 里와 4등 心모의 思의 경우, 八隅知之 我大王乃 朝庭 取撫賜 夕庭 伊緣立之 御執乃 梓弓之 奈加弭乃 音爲 奈利 朝獵爾 今立須良思 暮獵爾 今他田渚良之 御執能 梓弓之 奈加弭乃 音爲 奈里 (萬葉集 권1 3번) 와 같이 각각 /ri/와 /si/16)로 사용됨을 볼 수 있다. 권1 3번 노래는 万葉集 (日本古典文学大系) 의 두주(頭注)와 万葉集注釈 巻第一 를 보면, 二:間人皇后 舒明天皇の皇女 天智天皇の妹 天武天皇の姉 孝徳天皇の皇后 天智四年(六六五)没 万葉初期の有名な歌人 なお中皇命を斉明天皇とする説もあ る 三:伝未詳 孝徳紀白雄五年に遣唐使の判官として見えている中臣間人連老か 四:老が歌を作ったか 歌を献ずる使であったかが問題になっているが 使であったろう (p.1) 中皇命 は諸説があつて決しなかつた 考の別記に春満の説に從ひ 舒明天 皇の皇女間人皇后(孝徳の后)とし 中皇女命の誤としてよりそれによる者多く 命を女の誤とする者 交字は原文のま々とする者などあるが 間人皇女とする 説が有力であつた それに対して喜田貞吉博士は と記した例などをあげて 今 の場合は齊明天皇を申すと結論された 武田博士と次田潤氏がこの説に賛せられてゐる 以外にはなほ多くの學者は疑問とされてゐる しかし喜田博士の論は動かし難いものと 私は信ずる (pp.55-56) 16) 日本書紀 가요에는 思가 故思麽古喩衛爾(79번), 嗚思稽矩謀那斯(79번), 思寐我簸多泥儞 (87번), 思寐能和俱吾嗚(95번) 와 같이 4예가 보이는데 모두 알파군에 속한다.

38 38 日本文化學報 第 55輯 와 같이 舒明천황( 년)이 사냥을 나갔을 때 바친 노래로써, 작자에 대 해서는 間人皇女(? 665년)설과 斉明천황( 년)설, 그리고 間人連老설 등으로 나뉘지만, 이 노래가 萬葉集 시기 구분17)에 의하면 舒明천황 때이므로 제1기에 속하며 특히 萬葉集의 초기 작품임이 분명하므로 6년대 전반기임은 분명하다. 또한 已의 경우 萬葉集에 총 1예가 보이는데 다음 노래는 明日香淸御原宮御宇天皇代(天渟中原瀛眞人天皇謚曰天武天皇 十市皇女薨時高市 皇子尊御作歌三首 : 三諸之 神之神須疑 已具耳矣自得見監乍共 不寢夜敍多(萬 葉集 권2 156번) 와 같이 제3구와 4구가 정훈(定訓)이 없기 때문에 음차자(音假名)인지의 여부 를 알 수 없지만, 작자가 高市皇子이므로 제2기의 작품인 것은 분명하며 다음 의 권1 211번 노래에 已가 天漢 已向立而 戀等爾 事谷將告 孋言及者 와 같이 접두어 イ 로 사용되었는데, 권2 156번의 예를 제외하면 이 노래는 柿 本人麻呂歌集에 보이기 때문에 萬葉集에서 가장 오래된 예이며 제2기의 작품 임을 알 수 있다. 그리고 나머지 8예 또한 /i/로 사용되었다. 이와 같은 사실은 之운인 里 思 已가 6년대 전반기에 /i/로 사용되었음을 의미하는데, 이것은 시기적으로 볼 때 중고음의 유입과 일치하는 것이다. 그런데 주지하는 바와 같 이 다음의 예를 보면, 大和国天皇 斯帰斯麻宮治天下名阿米久尒意斯波羅岐比里尒波弥己等世 奉仕 巷宜名伊那米大臣時 百済国正明王上啓云 万法之中 仏法最上也 (奈良県元興 寺露盤銘) 故 天皇之女 佐久羅韋等由良宮治天下 名等已 弥居加斯支夜比弥乃弥己等 世 及甥 名有麻移刀等已 刀弥々乃弥己等時 奉仕 巷宜名有明子大臣 為 領 及諸臣等讃云 (奈良県元興寺露盤銘) 上宮記曰 一云 凡牟都和希王娶経俣那加都比古女子名弟比弥麻和加 生児若 野毛二侯王 娶母々思己麻和加中比弥生児大郎子 一名意富々等王 妹践坂大 中比弥王 弟田宮中比弥 弟布遅波長己等布斯郎女四人也 (上宮記逸文) 17) 沢瀉久孝ㆍ森本治吉 作者類別年代順万葉集 에 의하면 제1기 672년, 제2기 673년 71년, 제3기 711년 733년, 제4기 734년 759년 으로 구분하였다.

39 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 김 대 성 3 9 예의 순서대로 アメクニオシハラキヒロニハノミコト, トヨミケカシキヤヒメ ノミコト ウマヤドトヨトミミノミコト, モモソコ 18) マワカナカヒメ 와 같이, 里 已 思 가 각각 /rö/ /jö/ /sö/로 사용되었음을 볼 수 있다. 즉 /ö/로 사용되었 으며, 그 시기 또한 里 와 已 는 推 古 4년 즉 596년이며, 上 宮 記 逸 文 또한 推 古 시대( 년)이므로 절운( 切 韻 6년)의 편찬 시기와 비슷하지만, 한자음 의 전래가 절운보다는 훨씬 이전일 수밖에 없기 때문에 중고음 이전 시기임이 분명하다. 다시 말하면 중고음 이전에는 之 운이 /ö/이었다는 사실이다. 물론 萬 葉 集 를 보면 已 는 /i/로만, 思 는 /si/로만 나타나는데 반해, 里 는 약 643예가 존 재하는데 훈독자 サト의 표기로 쓰인 64예를 제외하면 나머지 577예는 음차자 로 사용되었는데, 그 중 575에는 /ri/로 그리고 나머지 두 예에 /rö/의 사용이 보인다. 그 예를 제시하면 다음과 같다. 牟 浪 他 麻 乃 久 留 爾 久 枳 作 之 加 多 米 等 之 以 母 加 去 去 里 波 阿 用 久 奈 米 加 母 ( 萬 葉 集 권2 439번) 久 爾 具 爾 乃 夜 之 里 乃 加 美 爾 奴 佐 麻 都 理 阿 加 古 比 須 奈 牟 伊 母 賀 加 奈 志 作 ( 萬 葉 集 권2 4391번) 이 두 노래는 제4기에 속하기 때문에 당연히 /ri/로 즉 /i/로 반영되어야 하지 만 /ö/로 사용되었으므로 예외로 보기 쉬운데, 사키모리우타( 防 人 歌 )라는 점에 서 다른 각도로 접근해야 한다. 이 두 노래의 작자는 각각 刑 部 志 可 麻 呂 와 忍 海 部 五 百 麻 呂 로 전자는 猨 島 郡 출신이고 후자는 結 城 郡 출신으로 4394번의 좌 주( 左 注 ) 二 月 十 六 日 下 總 國 防 人 部 領 使 少 目 從 七 位 下 縣 犬 養 宿 祢 淨 人 進 歌 數 廿 二 首 但 拙 劣 歌 者 不 取 載 之 에 의하면 지금의 千 葉 県 에 속하는데, 편찬자인 大 伴 家 持 가 노래의 원문을 그대로 실었기 때문에 중앙언어와 지방언어간의 표기의 차이를 엿볼 수 있다. 즉 지방언어의 표기의 보수성을 확인할 수 있는 것으로 이상의 두 노래의 里 의 /rö/표기의 사용은 한자음의 변천 즉 중국 성운학의 변 천을 반영하지 않은 것으로써, 오히려 그러한 표기가 한자음의 변천을 중앙언 어와 지방언어의 표기를 통해 엿볼 수 있는 좋은 예인 것이다. 이상과 같이 중고음 이전의 /ö/의 반영과 중고음 시기의 /ï/와 /i/의 반영에 의해 필자는 중고음을 [ i i]와 [i i] 로 추정 하는 것이다. 중고음의 3 등 [ i i]는 고대 일본어의 /ï/ 즉 음성학적으로는 [ i ](또는 [ i ]) 인 イ을류의 중설적인 요 소를 개구개음과 핵모음으로 이루어진 [ i ]에 의해 나타낸 것으로 추정되며, 18) 大 野 透 (오오노 토오루 1962:11)의 설명이 타당하므로 이에 따른다.

40 4 日 本 文 化 學 報 第 55 輯 갑을류의 구분이 없는 경우에는 운미음 [i]에 의해 /i/를 나타낸 것으로 판단된 다. 4등의 [i i]는 강한 개구개음 [i]와 운미음 [i]에 의해 약한 핵모음 [ ]가 거 의 들리지 않게 되어 탈락함으로써 /i/의 표기에 매우 적합했던 것으로 보인 다. 그리고 중고음 이전의 之 운의 /ö/의 반영은 중고음 이전 시기에는 [ i i]와 [i i] 즉 강한 핵모음을 지닌 음이었기 때문으로 추정되는데, 구체적인 그 시기 에 대해서는 다음 연구에서 다시 논하기로 하겠다. 19) 셋째, 베트남한자음과 티베트한자음을 근거로 들 수 있다. 베트남한자음은 주로 치두음이 [ ]로 반영된 것을 제외하면 73.8% 해당하는 자는 i/y[i]로 반 영되었고, 티베트한자음은 성모에 따른 차이가 없이 대다수가 i/į[i]로 반영되었 는데, 두 한자음 모두 3등과 4등에 따른 차이가 없이 [i]로 반영되었다는 점은 두 가지 근거를 제시해 준다. 첫째, 중고음의 핵모음이 강한 핵모음이 아니라 약한 핵모음이기 때문에 반영되지 않았다는 점, 둘째, 운미음이 [i]이었다는 점 이다. 이 두 가지 점을 충족시켜 줄 수 있는 중고 재구음이 3등 [ i i] 4등 [i i] 로 추정된다. 핵모음 [ ]는 중고음 이전에는 萬 葉 假 名 에서 알 수 있듯이 강 한 핵모음 [ ]이었을 것으로 추정되는데, 이러한 반영이 베트남한자음에서는 cơ 姬 基 箕 ; thời 時 와 같이 o [ ]와 o i[ i]로 나타난 것으로 보이며, 티베트한 자음에서는 음운 체계상 [ ]가 존재하지 않기 때문에 [e]로 반영된 것으로 추 정된다. 이 [ ]가 중고음에 이르러서는 핵모음의 약화로 반영이 되지 않아 두 한자음 모두 [i]로 나타난 것으로 판단된다. 특히 베트남한자음에서 [i]와 [ ] 이외의 반영에서 [ ]를 제외하면 [ui][ i][ i]로 반영된 예에서 운미음은 [i]이었 다는 것을 알 수 있으며, 티베트한자음에서도 時 çi į[ ii] 와 같은 예에서 볼 수 있듯이 운미음 [i]의 존재를 확인할 수 있다. 따라서 핵모음의 약화와 더불 어 3 4등 개음이 운미음과 같은 [i]이므로 두 한자음에서 [ i i] [i i ]가 중고음에 서는 [i]로 반영될 수 있었던 것이다. 그런데 티베트한자음에는 유일한 예이기는 하지만, 記 가 gji[ ŋ gji](=[ ŋ g ii])로 반영된 예가 존재한다. 즉 gi가 아니라 반모음인 [j]를 동반한 예인데, 이 [j]는 [ i ]의 반영인 유일한 예일 가능성이 크다. 김대성(212:5-29)에서 19 ) 특 히 중고음 이 전 시 기 음의 음차자 표기는 주지하는 바와 같이 한반도의 영향 하에 있 었고, 한반도의 표기 방식 또한 보다 폭 넓은 다시 말하면 운모의 경우 MVE(Medial+Vowel+Ending)도 표기자로 사용하였지만, 후대로 내려갈수록 가능하면 V로 이루어진 물론 /ï/와 /ë/의 표기의 경우 고대 일본어가 이중모음이었으므로 MVE를 취할 수밖에 없었지만- 음(예를 들면 魚 운)으로 제한하는 방식에 따라 (또한 중국 성운학의 변천도 영향을 받기도 하였지만) 之 운의 /ö/의 사용은 표기의 보수성을 제외하면 자취를 감추게 된 것으로 보인다.

41 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 김 대 성 4 1 순음의 경우 네 가지 자료 모두 yi[ji]로 반영되었는데 순음의 순음성에 의해 합구개음이 흡수되었다. 그런데 3등 개구개음의 경우는 매우 중요한 점을 시 사한다고 할 수 있다. 3등개음이 만일 [ i]이었다면 핵모음 [i]에 흡수되기 때 문에 [i]로 반영되었거나, 같은 순3등운인 支 脂 운과 같이 핵모음이 약한 경 우 2) 에는 개 구 개음 [ ]와 핵모음이 강한 운미음 [i]에 의해 흡수되었을 것이 다. 그런데 微 운은 개구개음 [ ]와 핵모음과 운미음이 [i]이기 때문에 즉 핵모 음과 운미음이 같기 때문에 개구개음을 인식하여 표기한 것으로 보인다. 다시 말하면 개구개음의 차이를 인식한 것으로 추정되는 것이다. 따라서 [j]의 반 영은 개구개음 [ ]로 추정된다.(pp.25-26) 와 같이 밝힌 바 있는데, 之 운의 개구개음과 핵모음 [ i ]가 핵모음 [ ]에 의해 개구개음 [ i]가 어느 정도 중설로 이동하면서 마치 [ ]와 같은 음색을 띰으로 서 [j]로 반영된 것으로 보이는데, 본고에서는 그 가능성을 제시해두는 선에서 그치도록 한다. 2) 다음 연구에서 이 부분에 대해 다루기로 한다.

42 42 日本文化學報 第 55輯 参考文献 김대성(23) 고대 일본어의 음운에 대하여, 제이앤씨. pp 김대성(212) 止攝 諸韻의 中古音 再構, 일본문화학보 52. 한국일본문화학 회. pp.5-29 김용옥(1992) 동양학 어떻게 할 것인가, 통나무. pp 박병채(1986) 고대국어의 연구 -음운편-, 고려대학교출판부. pp 이돈주(199) 향가 용자 중의 賜 자에 대하여, 국어학 2. 국어학회. pp 大野透(1962) 萬葉假名の研究 明治書院. p.11 澤瀉久孝(199) 万葉集注釈 巻第一 中央公論社. pp 沢瀉久孝ㆍ森本治吉(1976) 作者類別年代順万葉集, 芸林舎. 河野六郎(1993) 河野六郎著作集 第２巻, 平凡社. pp 小島憲之外( ) 万葉集(新編日本古典文学全集), 小学館. 小島憲之外( ) 日本書紀(新編日本古典文学全集), 小学館. 上代文献を読む会(1989) 古京遺文注釈, 桜楓社. 高木市之助外( ) 万葉集(日本古典文学大系), 岩波書店. 藤堂明保(198) 中国語音韻論, 光生館. pp 藤堂明保外(1971), 音注韻鏡校本, 木耳社. pp 西宮一民(1988) 日本上代の文章と表記, 風間書房. p 荻原麻男外(1976) 古事記 上代歌謠(日本古典文学全集), 小学館. 平山久雄(1966) 切韻における蒸職韻と之韻の音価, 東洋学報 東洋文庫. pp 三根谷徹(1993) 中古漢語と越南漢字音, 汲古書院. pp Bernhard Karlgren(1963) Compendium of Phonetics in Ancient and Archaic Chinese, Museum of Far Eastern Antiquities. pp E.G.Pulleyblank(1984) Middle Chinese: A Study in Historical Phonology, University of British Columbia Press. pp 董同龢(1993) 漢語音韻學, 文史哲出版社. pp 陸志韋(1985) 陸志韋語言學著作集(一), 中華書局. pp 羅常培(1933) 唐五代西北方音, 國立中央硏究院歴史語言硏究所. p.43 王力(1985) 漢語語音史, 中國社會科學出版社. pp 嚴學宭(199) 廣韻導讀, 巴蜀書社. pp.73-74

43 止 攝 之 韻 의 중고음에 대하여 김 대 성 4 3 要 旨 The aim of this study is to verify the validity of my reconstruction Zhi rhyme( 之 韻 ) [ i i] and [i i] in Zhi rhyme group( 止 攝 ), using the literature on Sino-Korean, Manyō Kana or Japanese phonetic alphabet, Sino-Vietnamese and Sino-Tibetan. To sum up, the following grounds can be considered : (1) In fourth division all the initials in Zhi rhyme except apical sibilants that have something to do with Pre-Ancient Chinese are /이/ in Sino-Korean, whereas in third division especially velars and laryngeals are /의/. The fact that Sino-Korean has vowel /으/ of final /의/ in velars and laryngeals implies it had central vowel in Ancient Chinese. ; (2) In third division except velars that have the other /i/ or /ï/ in Manyō Kana, all the other initials are /i/ in Zhi rhyme, and in fourth division all the initials are /i/. However, in Pre-Ancient Chinese Manyō Kanas as 思 里 已 are /sö/ /rö/ /yö/, that is, the other /o/ or /ö/, which means that vowels in Zhi rhyme are strong and central [ ]. In Ancient Chinese the weakening of [ ] in [ i i] and [i i] may be suitable for /ï/. ; (3) In Sino-Vietnamese and Sino-Tibetan the third and fourth divisions are rendered as /i/ in all the initials except dentals s [ ] in Sino-Vietnamese. The fact tells us two assumptions: vowel might be weak and ending [i]. In Sino-Vietnamese we can trace the vowel [ ] in Zhi rhyme that may be rendered in Pre-Ancient Chinese. キーワード: 止 攝 (Zhi rhyme group), 之 韻 (Zhi rhyme), 중고음(Ancient Chinese), 재구(reconstruction), 한국전승한자음(Sino-Korean), 萬 葉 假 名 (Manyō Kana or Japanese phonetic alphabet), 베트남한자음(Sino-Vietnamese), 티베트한자음(Sino-Tibetan), 3 4등단운(the mixed finals) 투 고 : 차 심사 : 차 심사 :

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45 韓国語のカタカナ表記について -聞き取り調査による語中子音の傾向分析- 1)小川明美* ( 目 次 はじめに 研究の背景 研究の目的と方法 調査概要 調査結果と考察 おわりに 1. はじめに 近年の韓流ブームによって 韓国に対する関心が高まり 韓国の様々な事柄が日本人 に紹介される機会が増えている 外国語を日本語表記する場合 普通カタカナで表される が 韓国語も例外ではない 日本のマスコミなどで韓国の事柄が紹介される場合 日本 人が韓国語の発音を耳で聞いて 最も近いと思われるカタカナで表記される1) 例えば 韓国風海苔巻き 김밥 は キンパ と記されることが最も多い2)が そのほか * 南ソウル大学校 専任講師 1) ＮＨＫに問い合わせたところ 韓国語のカタカナ表記については 耳で聞いてより近いカタカナを使う ことを原則 とし 子音単独の音など日本語にない発音 については ケースバイケースで判断 しているという回答を得た 2) 検索サイトgoogleのヒット件数による

46 46 日本文化學報 第 55輯 にも キムパッ キンバプ ギムバブ などと表されることもある これは ①初声 の ㄱ と ㅂ を清音で表すか濁音で表すか ②終声の ㅁ を ン と表すか ム と表 すか ③終声の ㅂ を プ ブ ッ のどれで表すか という３点の組み合わせに よって十数通りが考えられ それらをどのように用いるかを定めた規準がないためである 個 人の感覚によって任意に表記されているのが現状である3) また人名で言えば 李明博大統領は イミョンバク と 終声が ク で表される一 方 サッカーの安英学選手は アンヨンハッ または アンヨンハ と 終声が ッ で 表されたり 終声を表記しなかったりする /bak/(박)も/hak/(학)も終声は同じ ㄱ である が その扱いは個人によって異なる 人名については個人が任意に決定し マスコミなどは その公式発表に準拠した表記を用いているからである 日本では現在 韓国語のカタカナ表記にあたって一定の規準がなく それに該当する法 令や告示なども存在しない マスコミなどでは 公式発表のあった人名や地名を除き 独 自の判断によりカタカナ表記しているようである そもそも 韓国語を原音に近い形で発音するようになったのは約3年前である 1984年 ７月 全斗換大統領が来日した際 当時外務大臣であった安倍晋太郎が外務省に対し て 人名の現地音読みを指示したと言われている それまで 全斗煥 は ぜんとかん と日本語の漢字音読により発音されていたが これにより チョンドファン と発音されるよう になったのである 地名も同様で 例えば 仁川 は じんせん であったが 現在は インチョン と呼ばれている 約3年前までは韓国語を現地音で発音することがほとんど なかったため カタカナで表記することも少なかったのである 現地読みになるべく近い発音を用いることを 現地音主義 と言うが 韓国語に関しては この現地音主義の歴史が浅いうえ 日本語より複雑な音韻体系の影響もあり カタカナ表 記の一定の規準がまだ確立されていないのだと思われる しかし 今後 韓国との交流が ますます深まり韓国語をカタカナで表す機会が増えていくことを考えると カタカナ表記の一定 の規準が確立されてもいいのではないだろうか 本研究は それに向けての足がかりの一 つとなるであろう 2. 研究の背景 言語の音韻体系はそれぞれ異なるため どんな言語であれ 他の言語の文字に正しく 置き換えることは不可能である 韓国語は日本語より音韻体系が複雑なため 韓国語をカ 3) ＮＨＫでは 김밥についてはこれまでニュース原稿にあまり出ていないが キムパプが有力である と いう

47 韓国語のカタカナ表記について -聞き取り調査による語中子音の傾向分析- 小川明美 47 タカナで表記する場合 日本語をハングルで表記するのに比べ 多くの困難を伴う 特に検討を要すると思われるものは 韓国語の子音に関するものである 子音は韓国語に 36種類あるのに対し 日本語は22種類で そのうちほぼ同一だと思われる子音は13種類 に過ぎないという 李(1987) 子音に関してカタカナ表記が困難なものは 次の3点にまとめられる 1 語頭の平音 激音 濃音 2 語尾のパッチム 3 語中の平音 激音 濃音と語中のパッチム まず 語頭の平音 激音 濃音については これまで様々な分野で研究がおこなわれ ているが これらの音の対立を多く扱ってきたのは 特に音響音声学研究の分野である これまでに 平音 激音 濃音の閉鎖時間 VOT(声帯振動の開始時間) FO(基本 周波数)などが明らかにされてきている (宇津木(29) 清水(1993)など) 聞き取りに関す るものとしては 摩擦濃音の知覚に関する研究 韓(211) や 日本人韓国語学習者の 平 濃 激音の聴き取り調査による習得研究 古閑(24) などがある しかし カタカ ナ表記と関連するものは管見では見当たらない 語頭のカタカナ表記としては 例えば語頭の濃音 ㄸ に促音を用い 例えば 딸기 を ッタルギ のように表したりする工夫が見られるほか 語頭の平音は 例えば 닭갈비 を タッカルビ とするか ダッカルビ とするかのような清濁のゆれがある 韓国語の平音 激音 濃音の対立は日本語の清濁の対立とは異なる弁別であるため これまで多くの指 摘がある 배(21)など ように その表記方法には限界がある 次に 語尾のパッチムについては ㄱ,ㄴ,ㄷ,ㄹ,ㅁ,ㅂ,ㅇをそれぞれ順に ク ン ッ ル ム プ ン と表すことが多い このうち ㄴ と ㅇ を撥音 ン で 表すことと ㄷ を促音 ッ で表すことに関してのゆれは少ないが ㄱ を ク ㄹ を ル ㅁ を ム ㅂ を プ とすることに関してはかなりのゆれがある そもそも閉 鎖音であるパッチムをカタカナで表記することには無理があり これらを ク ル ム プ のように小さな文字にする工夫もある しかし 拗音以外の小文字は本来の日本語 表記には存在しないため それらの文字を使うことに対する混乱を懸念する意見も多い 熊 谷(27)이他(212)など 最後に 1 と2 が単音または一拍で解決される問題であるのに対し 3 の語中の平 音 激音 濃音と語中のパッチムについては二拍以上の語中を問題とする これまでどの 分野においても 特に二拍以上の語中を対象とした研究は見当たらない しかし カタカナ 表記を考えた場合 語頭や語尾よりむしろ語中に表記のゆれが多い 例えば 있어요[이써요] の場合 1 2拍目をカタカナで イッソ と促音を伴って表 記するのが普通である 音響音声学的な見地から 語中の濃音は閉鎖時間が平音の3 倍であることが明らかにされており(배他(1999)) 日本語母語話者には促音に似ていると認

48 48 日本文化學報 第 55輯 識されているためであると考えられる しかし 떡볶이[떡뽀끼] の2 3拍目は トッポッ キ と促音を伴う表記だけでなく トッポキ や トッポギ と表記されることも多く 濃音が 常に促音を伴って表記されるとは限らない また 語中の激音については 濃音とは反対に促音を伴わない表記の例が多く 例え ば 부탁합니다[부타캄니다] は プタカムニダ と表されることが多い しかし プタッ カムニダ のように促音を用いることもあり 実際のところ 激音と濃音の閉鎖時間に有意な 差はないという研究もある Cho&Keating 21 ところで 日本には韓国語のカタカナ表記に該当する法令や告示などはないが 韓国で は 1987年に韓国文教部から発行された 국어의가나문자표기법 以下 カナ文 字表記法 とする がある 韓国語の固有名詞をカタカナ表記する際の規準である 発 音どおりに書くこと つまり発音中心表記法に基づいており 音声 音韻論的な観念を十 分反映した 非常に合理的な規準である しかし 合理性を重視するためか 個々の例 を取り上げてみた場合 現実的な面から離れてしまっていると思われるものもある 3.研究の目的と方法 カタカナ表記といった場合 次の3点からの視点が考えられるが 本研究はこのうちの 2 の見地による 1 原つづりが連想されやすい表記 2 韓国語の発音を日本語母語話者が聞いてカタカナで表す表記 3 日本語母語話者がカタカナを発音して韓国語母語話者に理解される表記 本研究の目的は 日本語母語話者が韓国語を聞いた場合 どのように聞こえ それを 対象とする音は特に表記のゆれの多い部分である前章 3 の 語中の平音 激音 濃音と語中のパッチムとする 調査方法は聞き取り調査とする 分析方法としては 先行 研究からの考察および 韓国で編修された カナ文字表記法 と比較しながら考察してい くこととする 4.調査概要 4.1 調査目的 パッチムに平音 濃音 激音が後続する場合 先行するパッチムおよび後続する平音 激音 濃音がどのようなカタカナ表記に最も近いかを聞き取り調査によって明らかにする

49 韓国語のカタカナ表記について -聞き取り調査による語中子音の傾向分析- 小川明美 テスト語 音声データおよび聞き取り用紙の作成 テスト語の作成 テスト語は二拍の無意味語とした 有意味語はそのカタカナ表記が既に通例化していた り 個人的にイメージとして持っている可能性がある それらの可能性を排除するため 無 意味語を作成した 一拍目は母音を /a/ とし パッチムなし及びパッチム7種(ㄱ,ㄴ,ㄷ,ㄹ,ㅁ,ㅂ,ㅇ)で構成 した つまり /a/(아), /ak/(악), /an/(안), /at/(앋), /al/(알), /am/(암), /ap/(압), /ang/(앙)の計８つである 二拍目も母音は /a/ で 子音は平音 濃音 激音(ㄱ,ㄲ, ㅋ,ㄷ,ㄸ,ㅌ,ㅂ,ㅃ,ㅍ,ㅅ,ㅆ,ㅈ,ㅉ,ㅊ)の14種で/ka/(가), /k'a/(까), /kha/(카), /ta/ (다), /t'a/(따), /tha/(타), /pa/(바), /p'a/(빠), /pha/(파), /sa/(사), /s'a/(싸), / a/(자), /c'a/(짜), /cha/(차)とした 一拍目と二拍目を組み合わせたテスト語は(例1)の ようなもので これを１セットとし 一拍目を変えることにより 計114種のテスト語ができる h (例1) /aga/(아가), /ak'a/(아까), /ak a/(아카), h /ada/(아다), /at'a/(아따), /at a/(아타), h /aba/(아바), /ap'a/(아빠), /ap a/(아파), /asa/(아사), /as'a/(아싸), h /a a/(아자), /ac'a/(아짜), /ac a/(아차) なお 発音変化により実際の発音には現れない /akga/(악가)や/apsa/(압사)などの 組み合わせは除いた4) よって テスト語は計97種である 音声データの作成 上記ように作成したテスト語を読み上げ録音した 音声の録音にあたっては 韓国人韓 国語教師(ソウル出身3代女性)に協力を得た 録音の際 一拍目については 同じパッ チムごとに1セットとした 二拍目の平音 激音 濃音については順序がいつも同じにならな いよう ランダムに配列した テスト語一つにつき一度のみ発音し 繰り返さない 音声 データの合計時間は約9分である 聞き取り用紙の作成 聞き取り用紙は 音声データを聞いて最も近いと思われるカタカナを選択する形式である 例2 該当するものがない場合は欄外に自由記入とした また 用紙の最後にカ タカナ表記に対する意見等を自由に記入する欄を設けた 4) これらは実際の発音では/akk'a/(악까)や/aps'a/(압싸)に発音変化する このような無声子音パッチ ム(ㄱ,ㄷ,ㅂ) 語頭の無声子音(ㄱ,ㄷ,ㅂ,ㅅ,ㅈ)の組み合わせは15種である

50 5 日本文化學報 第 55輯 (例2) 聞いた発音は次のどれに近いと思いますか Ⅰ １ １ ａ アカ ｂ アガ ｃ アッカ ２ ａ アカ ｂ アガ ｃ アッカ ３ ａ アカ ｂ アガ ｃ アッカ 4.3 聞き取り調査の実施 1 調査期間 212年2月 2 調査場所 愛知県C大学キャンパス内ほか 3 調査対象 日本語母語話者 29名 うち韓国語講座受講学生 17名 大学教員 9名 その他 3名 4 調査対象の韓国語レベル ①韓国語がまったく分からない 8名 ②ハングルが読める 簡単な会話ができる 16名 ③韓国語で日常会話ができる 5名 5 調査方法 音声データの聴取後 即時選択を原則とするが 実施後の再聴は何度 でも可能とした また 必要に応じて事後インタビューを行った 5. 調査結果と考察 5.1 語中の平音 パッチムがない場合および有声音パッチムに後続する場合 語中の平音は有声化するた め 日本語母語話者には濁音として捉えられることが一般的に知られている 今回の調査 結果からも そのような回答が大多数を占め これまで多くの先行研究で指摘されていると おりの結果となった これは カナ文字表記法 표3(붙임1) とも完全に合致する

51 韓国語のカタカナ表記について -聞き取り調査による語中子音の傾向分析- 小川明美 51 表１ 語中の平音 아가 2 26 アガ 1 안가 1 28 アンガ 아다 29 アダ 안다 29 アンダ 아바 28 アバ 안바 29 アンバ 아자 1 28 アジャ 안자 1 27 アンジャ 1 앙가 2 27 アンガ 암가 9 アンガ 앙다 28 アンダ 1 19 アムガ 앙바 28 アンバ アンダ 앙자 1 28 アンジャ 알가 26 アルガ 알다 26 アルダ 알바 27 アルバ 알자 2 25 アルジャ 암다 암바 암자 6 15 アンバ 14 アムバ 12 アンジャ 1 16 アムジャ 数字はレベルすべての合計 ７人以上の回答はカタカナを表示 合計が29に達しない場合 自由記述回答があったことを示す 5.2 語中の濃音 パッチムがない場合 語中の濃音は促音を伴っていると捉えられることが多い 先述した ように 音響音声学研究では語中の濃音は閉鎖時間が平音の3倍であるといわれており これによって日本語母語話者には促音と認識されやすいと考えられる ところが カナ文字表記法 では /as'a/以外には促音を用いず アカ アタ アパ アチャ とする 聞き取り調査とは大きく異なる結果となった 表２ 語中の濃音 아까 27 アッカ 아따 3 23 アッタ 아빠 アッパ 아싸 1 아짜 5-28 アッサ 1 19 アッチャ また パッチムがない場合および無声音パッチム(ㄱ,ㄷ,ㅂ)の場合 少数ではあるが 語中の濃音が促音 濁音に聞こえるという回答があった 次の 表３ のとおり 例え ば /ak'a/(아까)や/atk'a/(앋까)は アッガ という表記がふさわしいというものである 同様に/t'a/(따)は ッダ /p'a/(빠)は ッバ /c'a/(짜)は ッジャ である